午後から天気は下り坂だという予報を信じたくない晴天の下,リーダーMtの呼びかけに集まったメンバー4名で春の天狗ヶ峰を目指す。
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この日も圧巻の北壁 |
①日時:2015.3.15(日)
②行先:大山(天狗ヶ峰)
③メンバー:Mt,Ys,Oe,As
④行動記録:
大山寺(7:00)→元谷(7:50)→上宝珠沢出合(8:30)→上宝珠越(10:20)→剣谷上部1490m地点(
10:45撤退決定)→上宝珠沢出合(
11:20)→大山寺(13:30)
⑤行動概況:
準備運動と装備の確認を済ませ元谷に向けて出発。大神山神社までは除雪が行き届いた参道を,そこから先もくっきりと踏み跡がある治山道を足慣らしがてらゆっくりと歩く。ただ黙々と歩くのではなく、雪の大山はこれまで夏道のみというOeにリーダーMtとYsが時折声をかけリラックスを促す。この心配りにはさすがだなと感心,ぜひ見習おうと思う。お前も雪山初心者だろという意見もあろうかと思いますが,このコースは今月1度歩いているため幾分の余裕がある故のコメントです,どうかご容赦を。ほどなく元谷に到着,青空にくっきりと白い稜線を引く北壁の景観,いつ見ても圧倒的だ。ここでの小休止にて山座同定ではないが見渡せる各尾根と沢の名称を一通り教わる,地図や概念図上の情報と実際とをリンクさせられ大変勉強になった。
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今回はここからアイゼン装着 |
各々次なる目標は一旦胸の奥にしまい,この日の目標 天狗ヶ峰へ向け,元谷の緩やかな傾斜を上宝珠沢との出合まで詰める。気温は低くなかったが雪は締まっており,ザックに付けたワカン・スノーシューの出番はなく上宝珠沢出合まで問題なく進めた。ここでハーネスを装着し,リーダーMtより先般実施された冬山講習の内容から今回必要なロープワークの指導を受ける。指導後はアンザイレンのまま2組に分隊し,上宝珠沢を登攀開始。前回山行で尾根直下が凍っていたという経験から今回は取り付きよりアイゼンも装着しての登攀とした。稜線に出るまで氷の斜面は現れず結果としてアイゼンは必要なかったが,装着の判断は間違っていなかったと少なくとも私は思う。
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ロープ兄弟(命名 by Ys) |
上宝珠沢下部ですでに強まっていた風が稜線に出てからは一層強まり,しばしば耐風姿勢を強いられる。また登攀開始頃から現れ始めたガスは瞬く間に稜線を覆い,隊の視界を奪い始める。ピットチェックこそ実施していないが週前半の積雪とそれ以前の積雪は明らかに層別されており,最上層に形成された板状の雪が,足を踏み出す度に割れて斜面を滑り落ちる。なんとか縦走路まではという想いで斜面をトラバースしながら前進を続けるも,1490
m地点,隊を取り巻く状況悪化から「撤退」のリーダー判断となる。撤退決定後は登りのトレースを慎重に下り,上宝珠沢出合でアイゼンを外しロープを解く。悔しさはあるがこの山行はここで終わりではないのだと気を引き締める。後ろ髪を引かれて振り返った先にはまるで鏡に映ったような2人の姿,これには思わず笑ってしまった。上宝珠沢出合での食糧補給を兼ねた大休止の際,再びロープワーク指導を実施。ロープを素早く(出来れば美しく)畳むことも必要な技術であると,まるでマシーンのようなリーダーMtの妙技をOeと共に学ばせてもらう。帰路の治山道でリーダーMtがバランスを崩し小滑落するというヒヤリとした場面があったが,メンバー全員が無事出発点に帰着。
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素早く,そして美しく |
YCC入会後,今回の山行は私にとって初の撤退経験であった。山行後のやり取りからもリーダーの苦悩が感じられ,分不相応ながらも自分ならどうするか考えさせられた。悔しい気持ちは確かにあるが,撤退から得られることがあるのも事実。そして誤解なきよう,あえて言わせてもらいますが,今回も最高の山行でした。リーダーMt,メンバーYs,Oe,ありがとうございました。
しかし文章長いですね、次回以降はもっと簡潔にまとめるようにします。
現場の状況を知らないものが意見を言うのは適切ではありませんが,Mtと私の長年の師弟関係?ということで許してね。
返信削除私だったら,稜線に出て,天狗には向かわないにしても,縦走路をユートピア避難小屋まで歩き,休憩(Mtがいつも持参するラーメン,ぜんざい,大福餅美味しかったに違いない)してから下山すると思います。あの斜面の下り,初心者にはきついでしょう。帰りはユートピアから,雪の状況次第で剣谷経由,下宝珠越という手もあります。
その手がありましたね・・・。
返信削除苦い思いも味わい深いものです
何を言っても打てば響く愉快なメンバーで幸せな一日でした
ありがとう また宜しくです
なにごとも良い体験でした・・!!撤退言えども楽しい一日でした。皆さんありがとうまたお願いします。
返信削除先日はお疲れ様でした。
返信削除同行していただいた皆さんありがとうございました。As、分かりやすいブログ助かりました。
今シーズン3回目の天狗へのチャレンジでしたが、またしても到達することが出来ませんでした。
その理由はいろいろあると考えられますが、少なくとも稜線までは行くべきだった(行けた)と思いました。特に、Oeは前々日に参加辞退の電話を掛けてきたところを無理やり参加させてしまったため、夏道以外の大山をもう少し感じていただけるよう協力したかったです。
また、ロープワーク講習はつたない説明ではありましたが、皆さん真剣に聞いてくださりお役に立てば嬉しいです。説明中、要所要所でYsからコツを教えていただき僕自身も勉強になりました。
下山時の治山道での転倒は情けなかったですが、落ちる訓練ができたということで許してください。
Tへ
愛のあるアドバイスありがとうございます。
その発想はまったく出てきませんでした。まだまだですね。そういう意味でも稜線へ上がるべきでした。今後は、そのような判断を下すことが出来るよう心理的に余裕を持った登山をしたいです。