2015年3月29日日曜日

2015春 大山(キリン峠上部鉄柱)

他会員の充実した山行ブログを見ながら,自分も出かけたいなといろいろ検討していると,Tから「残雪期のキリン峠はおススメ」と教えていただいた。そこで,久しぶりに休みが合ったKwと出かけてみることにした。実際に歩くと想像以上にすばらしい山行になった。さらに,周りからの緩やかな圧力に屈し,ブログデビューを果たすこととなった。
アルプスに負けない景観

①日時:2015.3.28(土)
②行先:大山(キリン峠上部鉄柱)
③メンバー:Kw,Mt
④行動記録:
 奥大山スキー場P(7:00)→木谷登山口(7:20)→文殊越(8:20)→キリン峠上部鉄柱(10:40)→キリン峠(12:10)→奥大山スキー場P(13:10)
⑤行動概況:
奥大山スキー場に到着して準備をしていると他のパーティから「環状道路が開通していると聞いたのですが,まだ開通してないんですね」と声を掛けられた。新聞報道では「鍵掛峠までの2キロは4月1日に開通する見通し」と書いてあったことから,「一体誰から聞いたんだ?」と心の中で思ったものの「そうみたいですね」と話を合わせておいた。
高みのステップ
準備を終え,ゲートをかわし,除雪されたアスファルトを歩いて木谷登山口へ進み,そこからブナ林へ入る。金曜日(27日)にMkから「締まっているので歩きやすいよ」とメールが届いた。どうやらTnと2人で1405mピークまで早朝スキーに出向いていたようである(この行動力恐るべし)。若干の沈み込みはあるものの,ツボ足でも十分に歩けるほどの締まり具合であり,着実に歩みを進める。風がなく,気温が高いこともあり,シェルを脱ぎたくなるほどの状況であった。
文殊越付近でKwと「このまま谷を詰めるか,それとも鳥越峠経由にするのか」を相談する。せっかくの機会なので今回は文殊越から谷を詰めて目指すことに決め,進路を再確認する。
得意のキリン峠上部鉄柱ポーズ
その後20分程度樹林帯を歩くと,目的地である鉄柱のある斜面が姿を現す。抜けるような青空と雪に覆われた斜面は圧巻であり,Tが言っていた「春山ベスト10に入る」の意味を理解できた。見入りながらも,ここでヘルメットとアイゼンの装着,さらにはストックをピッケルに持ち替え,気合を入れ直して斜面を登る。
キックステップで十分上がれるほどの斜度や雪の締まり具合であったが,「滑ったら止まらないんだろうなぁ」と不安を抱いていたのでなかなかペースが上がらない(精神面の弱さが露呈された)。1時間ほどかけてようやく登りきり,鉄柱に到達した。大休止後,下りはキリン峠へ進路をとり,そこからは適当な斜面を下って,樹林帯を抜けて環状道路に出て,奥大山スキー場に帰着した。

2015年3月27日金曜日

2015春 北アルプス(西穂ピラミッドピーク)

今年1月の山でぶっ倒れ,2月は籠の鳥,3月は人知れず散歩からスタートし低山,元谷,甲川等々散策した。先週の大ノ沢,きつかったが何とか上がることができ,少し自信がついた。
次のプログラムは療養のためのアルプス山旅,山旅などと変な理屈をつける。候補としてロープウェイが使える西穂か木曽駒を検討していた。メンバーから西穂に行きたいとの希望があり西穂に決めた。絶対に西穂に行くという強い意志はなく,西穂山荘まででも良し,動ける所まで,西穂丸山,独漂,西穂ピラミッド,西穂と伸ばしていけばよい,最初からそんな気持ちで山に向かった。結果的には西穂ピラミッドピークまで行くことができた。少し山旅のレベルを超えてしまったが・・・
今回のメンバー(帰り,独漂にて)
①日時:2015.3.25(水)~26(木)
②行先:北アルプス(西穂ピラミッドピーク)
③メンバー:Ys,Fu,T
④行動記録:
【3/25】米子IC(4:00)~高山IC(11:00)~新穂高温泉(12:00)~西穂口(13:10)→西穂山荘(14:30)⇔西穂丸山往復
【3/26】西穂山荘(5:00)→独漂(6:20)→(7:20)ピラミッドピーク(7:30)→西穂山荘(9:30)
⑤行動概況:
早朝,松江(米子でTピックアップ)を出発,昼前には新穂高ロープウェイ乗り場Pに到着。春の陽光を受けながらアスファルトの上に荷物を広げ,出発準備を行う。気持ちいい。これから雪と氷の世界に入っていく気がしない。
西穂山荘に向け雪の回廊を行く
ロープウェイを経由し雪の回廊の中を今日の宿の西穂山荘に向かう。オンタイム(今の私には速すぎた)で小屋到着,時間があるので西穂丸山まで偵察往復,稜線に出ると,風はありの氷の世界,雪は風で飛んでおり,ワカンは必要なさそうだ。
翌日は東の空が明け始める中,アイゼンを装着しスタート。今日の先頭は文登研でお世話なったガイド組で我々は2番目だ。今までの私だったら,途中で追い抜き西穂一番乗りを考えただろう。文登研でしごかれたしね。
西穂ピラミッドピークに到着
行けたら独漂までと思いながら,ゆっくりと西穂方面を目指す。独漂までの道中,乾雪にキュッ,キュッとピッケルが刺さる音,堅氷にアイゼンが刺さる音が心地良い。大山にはない音だ。それに加え,雲ひとつないアルプスの展望は素晴らしかった。
景観を楽しみながら1時間ちょっとで独漂に到着する。Ysはここまでと思っていたらしい?時間も早かったので,「私は独漂まで」と言うYsを説得し,目の前に見えるピラミッドピークまで行くことにした(この時点,私の心の中では西穂高山頂があった)。ここから,若干の岩と氷のミックスは現れる。ピラミッドピークまで達した時,Ys曰く,私が崩れ落ちるように膝をついたらしい。そんな記憶はないが,ここまで調子の良かったが急に寒気を感じ,私の体調不良が始まり,無理はせずここで引き返すことにした。
左から独漂,ピラミッドピーク,西穂と続く
それまで,Ysから「私を丸腰で歩かせる気かと」お叱りを受けていたしね。実際,独漂からハーネス,ロープを付けているパーティが多かった。
ピラミッドピークで引き返しは,全然悔しくなく(変わったね),むしろここまで来れたこと,アルプスの絶景に大満足の山でした。
⑥その他あれこれ
・ワカン,3種の神器を準備していたのは我々だけだったような。そんな訳で,ワカンをザックの上にセットしているYsはかっこよかった。逆にヘルメットはほぼ登山者全員していたようで,我々のパーティで持参していたのはFu,車に忘れたのはYs,私は最初から持参する意思は無かった。
・西穂山荘の登山案内には安易に西穂に向かうべきではないようなことが書いてあったような,登山者の所作を見てその意味がよくわかった。
・文登研でお世話(いじめられた)になった国際ガイドSにまた会った。八ヶ岳,大山,西穂で6回目。かっこいいガイドにFuは気に入ってしまい,彼の大山北壁のブログをYsのため彼のスマホから音読し,一緒について行きたいなどと言う始末,私の立つ瀬がありませんでした。
・何組かのガイド登山を見学した。ガイドのレベルを確認させてもらった。渋滞というか,あまりの遅さで,30分以上待たされた箇所もあった。

2015春 烏ヶ山(本峰横ルンゼ)

積雪の様子(地獄谷)
代表Sは烏谷をホームグラウンドとして,四季折々の変化を楽しんでいるが,積雪期に訪れるのは1年ぶりで,投石と高巻きをしながら渡渉したという。
代表Sによって命名された「逆どぼんコース」,私にとっては初めてで,Oeにとっても初めての烏ヶ山でした。
①日時:2015.3.26(木)
②行先:烏ヶ山(木谷~鳥越峠~烏谷~烏ヶ山~木谷)
③メンバー:S,I,Oe
④行動記録:
奥大山スキー場P(7:35)→鳥越峠(10:25)→烏滝(11:20)→烏本峰横ルンゼ(14:15)→烏ヶ山前衛峰(15:50)→烏ヶ山(16:00)→奥大山スキー場P(17:45)
烏滝でひと息(代表S)
⑤行動概況:
奥大山スキー場Pに駐車し,木谷のブナ林を進み鳥越峠を目指す。鳥越峠から駒鳥小屋は経由せず,谷を下降し地獄谷の夫婦滝横に出た。積雪は豊富で締まりもある。渡渉の必要はなく雪原歩きで烏谷入口の烏滝に着いた。ここで小休止し烏谷に入り,烏本峰横ルンゼへ向かう。右側の斜面は雪崩によってむき出しになっており,巨大なデブリが生々しかった。
烏ヶ山本峰(烏谷上部より)
ルンゼは所々クラストし蹴り込みが決まり辛い箇所があった。途中トラバースし,新小屋峠コースとキャンプ場コースの合流点20m下の尾根に出た。ここから合流点ピークの急斜面を登り,前衛峰に到着。ザックをおろしOeは本峰へ,SとIは待機する。
Oeの本峰下山後,コルからの斜面を下降し,登山開始から約10時間後,木谷に到着した。 
烏ヶ山初登頂(Oe)
⑥その他:
・豊富な積雪量と好天により,景色を眺めながら快適な雪原歩きを堪能できた。
・代表Sより,山容や樹木の形等を脳裏に焼き付けておくことの重要性,装備の携行方法,大山の自然に関することなど,たくさんのことを教わった。
・不十分な知識と未熟な技術,「行きたい」「連れて行ってもらう」山行から完全に卒業できていない自分を痛感した。課題点や反省点は多く残ったが,基本的な心構えを今一度見直し,予習と復習を怠らず,次のステップへ繋げていきたい。

2015年3月24日火曜日

2015春 恩原三国山BC

三国山を前にして
Kwより「スキーを装備したのでどこかへ連れて行って」とリクエストがあり今回の山行が決定した。アルプスへ出張中のMr発案のこの山は,MrとTnが以前訪れており,リーダーをTnにお願いした。アルプスを彷彿させる壮大な山容,何度登り返しても,疲れを感じさせない好条件。今までの,雪にまみれた苦々しい経験は,爽快な春風を受け楽しみへと変わる。そんなことを感じさせた素晴らしい山となった。



どこまでも歩いていきたい
①日時:2015.3.23(月)
②メンバー:Kw,Tn,Mk
③行先:恩原三国山(恩原高原スキー場~三国山)
④行動時間:
恩原高原スキー場(8:50)→ギラガ仙(11:30)→三国山(12:00)→1213P登り返し(13:30)→恩原高原スキー場(16:00)
⑤行動概況:
何度も登り返す
事前に岡山県警津山警察署に登山届を提出する。春の風に雪が混じり,雪面はしっかりと締まっている。スキー板にシールを貼り付け登るが,途中から板を外してツボ足で進む。ツボ足で進んでも足が沈まない。今回のスキーツアーが面白かったのは,この好条件が一日中続いたことにあったと思う。登りはザックに板を装着し,下りはスキーで樹林の間隙を運針のようにすり抜けていく。この動作を何回繰り返しただろうか。何度繰り返しても,ドロップする度に口元が緩む。雪混じりの春の風はやがておさまり,三国山についた時には,クールな青空から日差しが降り注いできた。三国山から1213Pまでのコルは,Mrが以前来たときに「アルプスのような山容だ」と声を漏らしたらしい。私は冬のアルプスを訪れたことがないが,おそらくそうなのだろうと,納得してしまう景色であった。
歓迎・初山スキー!
三国山のツリーホールに腰を掛け,来年度の山行計画を話し合った。帰路を根性試しの直滑降で尾根を乗り越し,無事オンタイムで下山することができた。Kwは弱音を吐くことなく,自分の計画通り淡々と山行を行った。自分への口惜しさというか,なんというか。そういうものを感じ,負けじと山に向かう姿は,とっても泥臭くてYCC的だ。来年度も,泥臭く藪をかき分けYCC的な山を,たくさんの仲間たちと共にしていきたいと思った。

2015年3月23日月曜日

2015春 甲川:猪鍋&岩魚パーティ

早春の甲川
Ysから山行記録が届きました。
複雑な気持ち?でアップしました。

高温と雨で大山は白くなくなり『とうとう北壁に行けなかった』と悲哀を感じていたところ,古い山友Okが「それより甲川で焚火キャンプやるけど来ん?猪鍋と岩魚の骨酒で…」の誘いに一も二も無く付いて行った。
①日時:2015.3.21(土)~22(日)
②行先:甲川(中の廊下)周辺
③メンバー:Ys,会員外(Ok,M)
④行動概況:
香取農協奥で2人に落ち合うと大きなザックの他に大根や葱の突き出た袋やビール他の入った重そうな袋やら提げている。バリバリのクライマーの筈だが妙に生活感満載…。大鍋は私のザックに括り付け彼岸中日のうららかな陽気のなか大荷物の3人は汗まみれで幕営地を目指す,「墓参りもう行った?」「墓は逃げん。いつでもいいんだ!」そんな話をしながら。
のんびり過ごします
(Fu曰く,Tの別荘地だそうです)
小ブロック雪崩など眺めつつ到着,雪沢だが気温が高いので私は別テントを張る。取り敢えずビールで乾杯もそこそこに,彼らはフェルトソールに履き替え竿を出して川を釣り上がってゆく。私は鋸を手に薪集めに励む。2時間でOkは5匹,Mは大型を2匹持ち帰る。香取奥でゲットしたエノキダケを洗って黒い足を切っているとMは牛蒡や大根を綺麗に切って煮始めた。特に話し合わずともテキパキと事が進む。岩魚を焼く香ばしい匂い…持ち寄ったあれこれを出し大鍋を囲む。狭い空に鮮やかな星が瞬き夜は果てしなく更けていった。
道中ゲットしたエノキダケ
遅い朝,テントを干して2人はまた竿を出し川に降りる。Ysでも釣れるよ?やってみるか?しかし登山靴なので見学だけにする。だんだん遠くなったので私はテントのフライにくるまって昼寝。沢の水音が空間を満たしシジュウカラの声…。風が出てきた頃「全部リリースした」と言って戻ってきた。
こうして,早春の甲川で,のんびりと穏やかな時間を過ごしていると,もう北壁のことなど,どうでもよくなりました。

2015年3月21日土曜日

2015春 大山(二ノ沢)

二ノ沢入口から
先日の例会でYCC写真展開催の噂が流れる,実は私の1番の趣味は山歩きではなく,写真でした。しかしここ最近,コンデジしか持ち歩いてないことに気づき晴天の南壁を眺めるのと,南壁ルートの確認,巨樹の森歩きに二ノ沢まで歩いてきました。

①日時:2015.3.21(土)
②行先:大山(二ノ沢)
③メンバー:N(単独)
④行動記録:
桝水高原スキー場P(9:00)→二ノ沢ゴルジュ(12:00)→桝水高原スキー場P(13:30)
右股最終堰堤
⑤行動概況:
晴天の空の下,白い雪を踏みしめ歩みを進める。
二ノ沢でテント泊をして,星空を撮影すると言う単独者をロックシェードで追い抜き,雪崩道をショートカットに使い誰もいない自然を満喫する。
二ノ沢は,左岸の巨樹の森を抜けゴルジュまで詰める。
左股ゴルジュ
左股,右股最終堰堤から南壁を眺め帰路に着く。帰路は右岸から森をショートカットし一ノ沢手前で道路に出て桝水高原スキー場Pへと帰着した。

2015年3月19日木曜日

2015春 大山(天狗ヶ峰)撤退

午後から天気は下り坂だという予報を信じたくない晴天の下,リーダーMtの呼びかけに集まったメンバー4名で春の天狗ヶ峰を目指す。
この日も圧巻の北壁

①日時:2015.3.15(日)
②行先:大山(天狗ヶ峰)
③メンバー:Mt,Ys,Oe,As
④行動記録:
大山寺(7:00)→元谷(7:50)→上宝珠沢出合(8:30)→上宝珠越(10:20)→剣谷上部1490m地点(10:45撤退決定)→上宝珠沢出合(11:20)→大山寺(13:30)
⑤行動概況:
準備運動と装備の確認を済ませ元谷に向けて出発。大神山神社までは除雪が行き届いた参道を,そこから先もくっきりと踏み跡がある治山道を足慣らしがてらゆっくりと歩く。ただ黙々と歩くのではなく、雪の大山はこれまで夏道のみというOeにリーダーMtとYsが時折声をかけリラックスを促す。この心配りにはさすがだなと感心,ぜひ見習おうと思う。お前も雪山初心者だろという意見もあろうかと思いますが,このコースは今月1度歩いているため幾分の余裕がある故のコメントです,どうかご容赦を。ほどなく元谷に到着,青空にくっきりと白い稜線を引く北壁の景観,いつ見ても圧倒的だ。ここでの小休止にて山座同定ではないが見渡せる各尾根と沢の名称を一通り教わる,地図や概念図上の情報と実際とをリンクさせられ大変勉強になった。
今回はここからアイゼン装着
各々次なる目標は一旦胸の奥にしまい,この日の目標 天狗ヶ峰へ向け,元谷の緩やかな傾斜を上宝珠沢との出合まで詰める。気温は低くなかったが雪は締まっており,ザックに付けたワカン・スノーシューの出番はなく上宝珠沢出合まで問題なく進めた。ここでハーネスを装着し,リーダーMtより先般実施された冬山講習の内容から今回必要なロープワークの指導を受ける。指導後はアンザイレンのまま2組に分隊し,上宝珠沢を登攀開始。前回山行で尾根直下が凍っていたという経験から今回は取り付きよりアイゼンも装着しての登攀とした。稜線に出るまで氷の斜面は現れず結果としてアイゼンは必要なかったが,装着の判断は間違っていなかったと少なくとも私は思う。
ロープ兄弟(命名 by Ys)
上宝珠沢下部ですでに強まっていた風が稜線に出てからは一層強まり,しばしば耐風姿勢を強いられる。また登攀開始頃から現れ始めたガスは瞬く間に稜線を覆い,隊の視界を奪い始める。ピットチェックこそ実施していないが週前半の積雪とそれ以前の積雪は明らかに層別されており,最上層に形成された板状の雪が,足を踏み出す度に割れて斜面を滑り落ちる。なんとか縦走路まではという想いで斜面をトラバースしながら前進を続けるも,1490地点,隊を取り巻く状況悪化から「撤退」のリーダー判断となる。撤退決定後は登りのトレースを慎重に下り,上宝珠沢出合でアイゼンを外しロープを解く。悔しさはあるがこの山行はここで終わりではないのだと気を引き締める。後ろ髪を引かれて振り返った先にはまるで鏡に映ったような2人の姿,これには思わず笑ってしまった。上宝珠沢出合での食糧補給を兼ねた大休止の際,再びロープワーク指導を実施。ロープを素早く(出来れば美しく)畳むことも必要な技術であると,まるでマシーンのようなリーダーMtの妙技をOeと共に学ばせてもらう。帰路の治山道でリーダーMtがバランスを崩し小滑落するというヒヤリとした場面があったが,メンバー全員が無事出発点に帰着。
素早く,そして美しく
YCC入会後,今回の山行は私にとって初の撤退経験であった。山行後のやり取りからもリーダーの苦悩が感じられ,分不相応ながらも自分ならどうするか考えさせられた。悔しい気持ちは確かにあるが,撤退から得られることがあるのも事実。そして誤解なきよう,あえて言わせてもらいますが,今回も最高の山行でした。リーダーMt,メンバーYs,Oe,ありがとうございました。

しかし文章長いですね、次回以降はもっと簡潔にまとめるようにします。

2015年3月18日水曜日

2015春 大山(大ノ沢)

今回のメンバー(大山頂上)
最近ブログにはリーダーという言葉がよく登場する。基本的に私と行けば暗黙のうちに私がリーダーになる。最近違和感を感じてきた。リーダーってなんだい?そんな話はまた別の機会で。
今回の山はIが主体的にルートファインティングから先頭で階段トレースを作ってくれた。そういう意味でI,貴女がリーダーだ。我儘な私に付き合ってくれ,特に久々の山で歩けるかどうか心配だった私をサポートしてくれた2人に感謝している。
大ノ沢は私の好きな春山ベスト10に入るだろう。会員諸君,残雪あるうちに行ってみたら。
大ノ沢ローソク岩をバックに
①日時:2015.3.18(水)
②メンバー:I,N,T
③行先:大山(大ノ沢~頂上~正面道)
④行動時間:
桝水高原スキー場(6:15)→大ノ沢(7:30)→(10:15)頂上(10:45)→桝水高原スキー場(11:45)
⑤行動概況:
絶対に上がるという強い意志(直前までいつ,どこで撤退するか考えていた)と午後から天候が崩れるのがわかっていたので,集合時間1時間早めた。この1時間が行動に余裕を持たせ,落石,雨からも退避できた。
大ノ沢ど真ん中を上がりました
桝水高原スキー場を6時過ぎに出発する。コースはスキー場,横手道経由で大ノ沢に入り,右岸,左岸に逃げず,ど真ん中を行き,直接頂上に達した。ペースは全て私に合わせてくれ,頂上まで4時間,えらく時間がかかった。今の私にすれば精一杯だ。2人にしてみれば汗をかくことはなかっただろう。
大ノ沢は広い斜面でBCにはいい所だが,今日は腐れ雪で落石がぼちぼち始まっている。何回か「ラク」の声が響く。
帰りは正面道の雪のある斜面を求め,グリセードで降りる。こちらの雪は少し締まってクラストしている所がある。自分を止める自信のない人は安全なルートを選ぶのが賢明だ。
森林限界から埋まるようになったので,Nからワカンを借り,帰着した。帰着1番のつもりもドンケツでした。

2015年3月17日火曜日

2015春 大山北壁(弥山尾根西稜)

弥山尾根西稜に行くのは今シーズン2回目。過去の山は,先輩に連れて行って頂いた。今シーズン中に,トップで上がりたいと,何度も自宅付近で支点工作のコソ錬を重ねる。Tnとも夜間にヘッドライトをつけて練習を重ねた。天候に恵まれコンディションも抜群で最高の山となった。
山友から岳友になる
①日時:2015.3.16(月)
②行先:大山北壁(弥山尾根西稜)
③メンバー:Tn,Yh,Mk
④行動記録: 
南光河原P(7:15)→弥山尾根取り付き(9:00)→縦走路(11:30)→南光河原P(13:30)
⑤行動概況:
取り付きから3ピッチ目の核心を超えるまでは,慎重に行きたいと作戦を立てる。トップはMk,セカンドのYhはアッセンダーで上がってもらい,サードはTnに任せる。基本はコンテで上がるが,核心部は安全を確保して登ることにした。核心は2ヶ所ともピッケルが1㎝しか刺さらない。カチコチの氷が岩に張り付いていた。
高度感抜群です
過去に来た時には,楽しいだけで怖さを感じたことがなかったが,今回は身が引き締まる思いを感じた。いつも安全を確保していただいた先輩方のありがたさに,心から感謝した。最初の核心を乗り越し,尾根に上がって穴を掘りボディービレイで確保する。次の核心は,灌木の幹に支点をとり安全を確保した。そこから先はTnのトップで尾根をコンテで登っていく。終始天候は安定し,風もなく雪も安定していた。弥山山頂に抜けたときに,ガシッと固い握手で,絆がさらに深まった。5合目まで下って,今日登った弥山尾根西稜のルートを眺めながら,軽い休憩をとり大山寺に無事下山した。このルートは今回初めて全容が理解できた気がする。自分のスキルが上がり,体重が理想形になるまでは,何度もここで訓練を重ねてレベルアップを図りたいと思う山となった。

2015春 吾妻山

吾妻山の星空は,下界の光が入らず無数に煌めく。いつか,メンバーと,温めたバーボンをすすりながらこの星空をながめたいと思っていた。広島側からのアクセスが可能となり,駐車場内の使用許可もいただけたので,作戦を立て今回の山行となった。
ベースキャンプ完成

①日時:2015.3.14(土)~3.15(日)
②行先:吾妻山
③メンバー:E,I,Tn,Sz,Yh,Mk,(会員外2名)
④行動記録: 
【3/14】吾妻山休暇村P(18:00)→星空スキー&撮影(19:30)→鴨鍋パーティー(21:00)→就寝(24:00)
【3/15】吾妻山休暇村P(5:00)→吾妻山山頂(6:00)→吾妻山休暇村P(8:00)→解散(9:00)
⑤行動概況:
吾妻山頂上台地
子供の卒業式が終わって駆け付ける者,仕事が終わって駆け付ける者,仕事を投げ出し駆け付ける者と,いろんな事情を背景に,前日に積もった雪に負けずと,車を走らせ休暇村へ到着する。今回は,ゲストで私の従弟も参加してもらった。彼の持ってきたセンターポールのタープは,8人入っても余裕があり快適なリビング空間が作られた。
小坊主より無数の星を眺める
テントの設営が完了すると同時に,星空が現れた。各自,装備を装着しカメラを片手に吾妻山の雪原を歩く。月の出は翌01:00くらいだったので,星が広範囲で綺麗に見える。雪山で星空を眺めるとは,何ともロマンティックだ。雪原を照らす星の光にうっとりしながらも寒い。一時間くらい撮影してスキーを装着し,一気に滑り降りた。日付が変わるまで山談義で盛り上がり就寝する。翌朝はご来光を狙ってスキー×2,スノーボード×2,スノーシュー×3 ツボ足×1で,吾妻山台地につながるルンぜを直登する。直下はブレーカブルクラストで,スキーが沈まず危険を感じ,板をデポしてツボ足で登る。山頂は風が強いが視界は良好。
ご来光は雲がかかり残念だったが,山深い絶景を堪能することができた。バックカントリーは,カチコチの曲がらない雪を我慢しながら一直線に滑り降りた。雪山の中で夜を過ごし,「雪の上にテントを張り寝る」ということを体験していると,いざというときに,少しばかり余裕が生まれるかもしれない。楽しみながらも,雪山の厳しさも体験できて,良い山になったのではないだろうか。

2015年3月14日土曜日

2015春 岩樋山~道後山

月見が丘から岩樋山
代表Sから山行記録が届きました。

3月12日,1月15日の失敗(悪天候のため)の再チャレンジ,単独行での山行となった。今日はスノーシューかスキー両方使用できるように車に積み込む。7時40分自宅を出発,9時30分にスキー場駐車場に到着。装備の準備しスノーシューで出発したが,スキー場のスロープを見たらスキーを利用しようと車にバック,スキー金具に登山靴を合わせるが合わない,工具がない,仕方がないスノーシューで出発。
道後山
上部の茶店まではリフトを利用する。2本目のリフトは本日は休業,月見が丘を目指し,スキー場を直登する。キャンプ場・登山口の月見が丘に11時16分に到着,ここからは登山道を行くのであるが山スキーヤーの先行者がおり,トレースを辿る。樹林帯を抜けるところから直登となる。新雪の下は雪がしまっており登高しにくい,スノーシューが滑り何回も転倒する。岩樋山1271メートル12時56分に到着。頂上からコルに向かって下降すると先行のスキーヤーが岩樋山から滑走し,シールをつけて登高している。
岩樋山スキースロープ(Mkが行きたいと思う)
コルから道後山の頂上を目指し登行を開始する。先ほどのスキーヤーのトレースを辿り,1271メートルピーク,200メートルほど東のピーク1268.8メートル道後山に13時45分に到着した。道後山の風情を楽しみ14時13分に頂上を後にした。又登り返し,下降を続けコルから岩樋山までトレースを追い,直登である。
岩樋山からの下降ルートは,樹木がない吹きさらしの斜面はスリップダウンの連続,北側の斜面の唐松林を下降路とした。急斜面を終わったところで登高時のトレースに合流し,キャンプ場経由で月見が丘・登山口に無事ついた。上部のスキー場を下降し,リフト降り場の担当者の了承をとり,スキー場の端っこを下降し,駐車場に帰着した。

2015春 烏ヶ山(木谷~南西尾根)撤退

終点
土曜日山行も参加者はなく,1人烏ヶ山へ向かいました。朝4時に起きるも外は大雨で1度中止を決断したが,1時間後にリスタートした。
①日時:2015.3.14(土)
②行先:烏ヶ山(木谷~南西尾根)
③メンバー:N(単独)
④行動記録:
奥大山スキー場P(7:45)→南西尾根合流(9:40)→尾根終点(10:35)→奥大山スキー場P(12:40)
下山時に
⑤行動概況:
奥大山スキー場に着くとゲレンデには既にピステンブリー車がゲレンデ整備で稼動しており,ゲレンデからのアクセスは止めることにし,地図を眺めルートを絞る。木谷から回り込みP1201の先のピークへ続く尾根から南西尾根へ上がるルートに決めた。木谷沿いに重い雪を踏み締めながらシンシンと降る雪に冬を感じ尾根を目指すも,周囲の山容も見えず船谷川源流の水の音を聴きながら歩みを進めた。やがて水の音も消え尾根へ回り込み尾根へと取り付いた,このころから雪も激しくなるがただただ南西尾根合流まで高度を上げ,予定通り南西尾根と合流する。南西尾根に上がると雪も止み快適に進むが,大きなツリーホールに落とされるのが厄介だった。
烏ヶ山
尾根の終点が近づくと斜度も急になり,雪の悪さを感じたがスノーシューのまま進む。これが失敗で表層と共に3m程落とされてしまった。気を取り直し終点へ着き,トラバースで行くか直登するか思案するが,決断が出来ず撤退の決断となった。終点で一服し下りだすと雪はさらに悪くなっているので,登れても下れなくなったなと自分を納得させて木谷を目指し,登った尾根を下った。帰路は劇的に天候が回復し,烏の山容を見ながら木谷まで下った。木谷から駐車場までは,重い重い雪と陽光に春を,ブナの巨樹に生命を感じ下山した。
春を待つ
⑥その他:
またしても撤退記事になってしまいましたが,自然の中を歩くのは気持ちよく止められない。雪が安定したらまた行きたいのですが・・・

2015年3月12日木曜日

2015春 大山~蒜山

大ナメラ
大山から蒜山を繋げてみたい。藪が雪で埋まったこの時期限定のルート(YCCなら無雪期でも行くかな?)蒜山を歩くというNとOに会えることを期待して出発する。
①日時:2015.3.11(水)
②行先:蒜山(鏡ヶ成~上蒜山縦走)
③メンバー:Fu,会員外(1)
④行動記録:
鏡ヶ成(7:18)→擬宝珠山の肩(7:46)→五五郎のコル(8:30)→大ナメラ(9:33)→皆ヶ山の肩(10:20)→アゼチ(10:57)→蛇ヶ乢(12:09)→上蒜山スキー場P(13:37)
⑤行動概況:
大丈夫と思い歩いたら・・・
鏡ヶ成を出発してすぐ地吹雪でお出迎えされた。前日に45cmは積もったという新雪にまみれながら蒜山まで行けるだろうかと不安になるも,尾根まで登ればラッセルはところどころで新雪は強風に吹き飛ばされ固い雪面がむき出しになっているところが多く思ったより歩きやすい。とはいえ、急な降雪で落とし穴がそこらじゅうにありはまると胸あたりまで沈むこともあり慎重に歩く。
胸まではまる
蒜山方面は時折太陽が見えたりしていたが大山方面は暗い雲に覆われ期待していた景色は1つも見えず。とにかく風が強く地吹雪のたびに耐風姿勢で凌ぐ。大ナメラ直下の急斜面に苦戦しながらも登りきるとあとは歩きやすい尾根が続く。当初は皆ヶ山でエスケープも考えたがラッセルもそこまでなく時間も余裕があったのでアゼチへ向かい蒜山を目指すことにした。時折の晴れ間に上蒜山が見え,2人の姿が見えないものかと探してみるも見えず。
ちょうどこの時2人は山頂にいたようだ,見える?
アゼチを越えたら細尾根があり雪庇に気をつけながら通過し蛇ヶ乢を目指しブッシュの中を隙間をぬって下っていく。下りきったとこら辺で暗い雲が一気に晴れ快晴になり歩いてきた山々が綺麗に見えた。蛇ヶ乢から林道までが繋がっておらずGPSを見ながら合流しあとは林道を歩いてスキー場へ戻る。2人の行動記録を見ると私たちが30分ほど遅かったようで蒜山で会うことはできなかった。結構頑張って歩いたのに残念。帰りは大山の温泉に入りに行くとスキー帰りのMtsuに会い,モンベルにOがいたと教えてもらい駆け付けるもすれ違いでまたもや会えず。諦めようとメールすると温泉にいたようでやっと会うことができMtsuと3人でお茶をして帰った。同じ年のO,相変わらず目がキラキラしたいい山男だった。今回は大山の端から蒜山の端を歩いたけどいつかは完全縦走をしてみたい。

2015年3月11日水曜日

2015春 蒜山(中蒜山~上蒜山)

岡山生まれの大山育ち?で,遠く豪雪を求めて新潟の地へ行ってしまったOが帰省してきた。岡山生まれで蒜山を歩いたことが無いというので蒜山へ行ってきました。
①日時:2015.3.11(水)
中蒜山
②行先:蒜山(中蒜山~上蒜山縦走)
③メンバー:O,N
④行動記録:
塩釜登山口(8:20)→中蒜山(10:20)→上蒜山(11:40)→上蒜山スキー場P(13:10)
⑤行動概況:
相変わらずの山コーラ(上蒜山)
ラッセル1
季節は春へと移り変わろうとする中,Oを歓迎するかのように冬へと戻ってくれた。もちろん蒜山も厳冬期の蒜山へ山容を変えてOを迎えいれた。上蒜山Pへ1台車を配車し塩釜登山口から中蒜山を目指す。もちろんOの前を歩いて自分のペースにもっていく作戦で挑んだが,5合目を過ぎた辺りからOが前にいるではないか,しかたがない,思う存分ラッセルをしてもらった。雪は深いがパフパフのパウダーで軽く,Oには苦にな

待ってくれ~ラッセル2


らないように高度を上げていき,稜線へと出た。中蒜山からは快適に下り,ガスに包まれた上蒜山を目指す。鞍部から上蒜山への登りも深い雪に苦しめられる(Nのみ)が,今日はラッセルしたくてウズウズしてる仲間がいるのであっさり先頭を譲ってあげる。後ろからトレース辿るもOのラッセルのスピードと変わらず,なんとも鍛えがたらない中年の心が折れそうになり,おもわず上蒜山への寄り道はパスする提案を出したが,あっさり却下され,上蒜山へ寄ることになった。下山は雪庇に注意しながら,スキー場へ続く尾根を辿り純白のゲレンデにトレースを残し下山した。
⑥その他:
Oには2座では事足りず申し訳なかった,来年は厳冬期の3座縦走で待っています。妙高山に行ってみたいのでその時は,よろしくお願い致します。今日もいい山歩きができました,ありがとう。

2015年3月8日日曜日

2015春 下蒜山

中蒜山をバックに
昨年から3人で約束していたメーチン尾根西稜から下蒜山を目指すスノーシュートレッキング。今日を逃すと雪がなくなってしまいそうなので行ってきた。
①日時:2014.3.8(日)
②行先:下蒜山
③メンバー:Y,E,I
④行動記録:
蒜山上長田(8:15)→(12:00)下蒜山(12:40)→蒜山上長田(14:40)
帰り道,大山が美しい!
⑤行動概況:
歩き始めは雪が無く,雪が出てきても残雪で雪が腐っているためEとIはツボ足で歩き,私はスノーシューを履いたり脱いだり。こんな雪の状態になっているとは思いもよらなかった。(春ですね!)ツボ足で歩くとたまに股間まで埋まり,スノーシューだと雪の無い枯葉の上を歩かなくてはならない。選択に苦心するところだ。心地よい微風と,景色に恵まれ,のんびり歩くのにちょうど良い条件が揃った山行だった。下蒜山に着いてからはもちろんラーメン!あとIの特製コーヒーをいただいた。下山時は更に雪がゆるくなり,足がはまりながらもなんとか無事下山できた。