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大山振子沢 |
2013春 大山南北縦断のブログをみて,私はYCCに入会しようと思うようになった。振子沢に行くたびに,空に吸い込まれそうな景色に新しい感動を覚える。大山を一番よく知る山岳会の一員ではあるが,私はまだまだ大山を知らない。仲間を連れていくというような強いリーダーシップも備わっていない。が,山に登るものとして,そうなりたいと強く思っていることは確かである。YCCで学んだことをまだ知らぬ仲間に,教え伝える。ブログでは伝えられないものを,たくさん学んできた。しかし,それらを体得できているかと言えば,まだまだ未熟である。しかし未熟であるがゆえに,楽しい。少しずつではあるが,より安全に,確かな山にしていくことで,楽しさも増えていくと思う。下界で暮らしていると,様々な価値観が人それぞれにあるがゆえに,人間関係は複雑で,心が疲れてしまう。山には,そんな心を治してくれる不思議な力がある。大きなザックに,社会の喧騒をたくさん詰め込んで,山頂で解放し大きな声で「ヤッホー!」と叫べばすっきりする。昨日までの色んなことも,今日,山を共にすれば,すっかり許しあえる。そんな仲間が集うYCCが私は大好きだ。
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ゆっくり上がっていきます |
①日時:2016.3.21(月)
②行先:大山(振子沢)
③メンバー:Mt,Ys,St,Oe,Mk
④行動記録:
木谷登山口(7:30)→鳥越峠(9:00)→駒鳥小屋(10:00)→振子沢源頭部(11:00)→駒鳥小屋(12:00)→鳥越峠(13:00)→木谷登山口(14:00)
⑤行動概況:
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先頭で引っ張ってくれたMt |
出発前,雪が降っていた。積もるような雪ではないが,今シーズン見納めの雪かなと思う。締まった雪の上を4人は快調に進むが,私は相変わらずズブズブはまる。理由はわかっているがあえて触れない。シールを付けて鳥越峠までゆっくりと進む。いつもはキリン峠の下部を経由するので,この時期の鳥越峠に行ったことがない。意外と急な登りで,意外と楽しかった。鳥越峠から鳥越カールを見下ろすと昨年の山行の帰路に辿ったルートが理解できた。駒鳥小屋につながるルンぜを下り地獄谷に下降する。ロープと梯子に雪はなく,地獄谷の雪は割れ,春の沢の様相を見せてくれた。振子沢にも水が流れるが100mも上がると,いつもの雪深い振子沢の様相が現れる。仲間の体調をよく見ながら,ゆっくりと上がっていく。青い春の空にまっすぐ繋がる雪の道に,心が吸い込まれるような気持になる。何度来ても,振子沢の景色は特別な感動がある。メンバーの体調を見ると,引き返しリミットは11時だろうとここで判断する。Mtとも意見が合致し帰路の行程を打合せする。予期できることや予期できぬこと,アクシデントは山では必ず起こると思っている。体力に無理な負荷をかけずに,安全に下山時刻を守ることを優先に考えることで,次につながる山になると思う。今回の山行を通じて,それぞれが,次の山のイメージを持てたのではないだろうか。下山後,先頭のMtや,メンバーの顔から満足の表情を見て取れた。私の顔からも,その表情を感じてくれていたのではないだろうか。同行メンバーに心から感謝し,帰路に着いた。
写真と文章から大山春山の良さが伝わってきます。北壁はすっかり雪がなくなりましたが,反対側はまだあるんですね。
返信削除最近Mkは山に対して慎重になったとよく聞きます。それを踏まえて,Mkに限らず会員にはもっと厳しい山してほしいと思っています。
今回の山はピストンと聞いていたので,単純往復ではなくキリン沢経由か槍尾根上がって振子沢を下りたら楽しいのにと思ってました。先人を越えなさい。
朝,コメントを拝見しどのように返事をしようかと,頭の片隅で考えながら過ごしました。私は頼りなさそうに見えるかもしれませんが,いつかは,Tのような人になりたい。そう思って,大山と向き合っています。先人が大きければ、超えるのにも時間がかかるのです。私の役割は,これからの若手へとつなぐ中継ぎです。ただ、最近感じることは,慎重というよりも臆病になってきた自覚があります。山だけでなく一つ一つに。
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