2016年2月2日火曜日

2016冬 矢筈ヶ山(大休峠夜間雪中行軍)

冬山計画第2弾,矢筈ヶ山の担当リーダーOeをサポートし,登山計画から準備,ルートファインディング等,お手伝いをさせていただいた。当初は前の週に予定したが,大寒波のため登頂不可能と判断し延期した。この山行は何としても登頂成功したく,大休峠避難小屋をベースにして,時間をたっぷり使えるように計画を立てた。万全を期して臨んだ矢筈ヶ山山頂は雪で覆われ吹雪が打ち付ける厳しい景色であった。
夜間雪中行軍を終えて
①日時:2016.1.31(日)~2.1(月)
②行先:大休峠・矢筈ヶ山
③メンバー:Oe,Mk
④行動記録:
【1/31】香取上部(19:30)→甲川分岐(20:50)→大谷通過(21:40)→大休峠(23:00)
2/1】大休峠(7:20)→矢筈ヶ山(10:30)→大休峠(12:00)→香取上部(15:00)
⑤行動概況:
それぞれが,仕事を早く終わらせ香取上部で顔を合わす。星がまったく出ていない闇夜である。風はなく気温は高い,素手で行動を開始する。誰の踏み跡もなく,小動物の足跡が続く。雪はべたつき重い。雪より重いのは,ザックである。衣食住をカタツムリのように担ぎ,暗闇を中年コンビが彷徨する。3の谷まで一直線に進む。雪が少なく渡るのに難儀な予感がした。上部に,二股に分かれるところがあり,そこを渡ると楽に渡れたことを思い出し,そのまままっすぐ上に進む。3の谷を越えるとあとは特別難儀なところはない。大谷から先は,風が強く,一気に気温が低下する。指先が冷たくなり,ジャケットを着て歩いても暑くない。高度を下げないように斜面を進み大休峠避難小屋に到着する。小屋の室温はマイナス3度。防寒を十分にして早々にシュラフに潜り込む。目を閉じても眠れず,明朝の矢筈ケ山のことばかり考える。弱気な言い訳が頭の中でグルグル回る。コップに詰め込んだ雪の上に,バーボンをぶっかけて一気に飲み干す。落ち着いたせいか,そのまま
矢筈ケ山山頂にて
朝までぐっすり眠れた。朝は幸いなことに,穏やかな天気。スキー板にシールを貼り付け,Oeはスノーシューで矢筈ヶ山に向かう。もなか雪に薄く新雪が被さり,スキーが滑る。なかなか高度が稼げない。50回近くキックターンして,やっと1300Pに到着する。ここから天候はガラッと変わり,吹雪となる。雪がしまったおかげで,グイグイ高度を上げることができ,そこから山頂まではすぐだった。山頂に立ち,証拠写真を急いで撮る。停滞は危険と判断し,すぐに下山の準備をする。停滞しているわずかな時間に,体の表面に付着する水分が,パリパリ凍っていく感じがした。Oeはトレースを辿り,私はシールを外して山頂から一気に滑り降りた。1300P付近では,もうすでに我々のトレースは吹き飛ばされていた。そこでOeと合流し,大休峠の少し下部まで滑り降り,小屋に到着する。デポしておいた就寝用具を担いで香取まで下山した。帰路はシールを付けず,大谷からすべての谷をスキーで乗り越せたのは嬉しかった。Oeを準備段階からサポートし,万全を期して臨んだこの山行。久しぶりにカタルシスを得た山となった。Oeありがとうございました。

2 件のコメント:

  1. 第2弾終了(2/12)拍手!
    2014冬以来の大休峠夜間雪中行軍お疲れ様でした。
    大休峠から尾根まで50回近くのキックターン,多い気がするけど。
    1300Pにとらわれず斜めに上がって行かなかった?
    前回の夜間雪中行軍や矢筈ヶ山と今回どっちがきつかった?

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    1. Tのおっしゃるように,キックターンは少なめにするとよいと思います。手前側の傾斜は立っていて登りにくかったです。奥の方は手前側よりも藪がきつく見えたため,避けてルートをとりました。
      前回までの山行は,Tに終始リードしていただき,Mtやほかのメンバーに支えていただきながら,ついていくのがやっとのギリギリの山でした。振り返れば前回までの山がきつかったような気も致します。今回の山行中も,ひと時も気が抜けず,違う意味で厳しく山と向き合えることができたと思います。

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