2014年8月2日土曜日

2014夏 甲川(上の廊下)②

私にとっては初めての「上の廊下」。難しかったが美しい景色だった。
F2を突破したすぐの綺麗な所
①日時:2014.8.1(金)
②行先:甲川(上の廊下)
③メンバー:N,Mk
④行動記録:
入渓(08:05)→F1(08:30)→堰堤(10:05)→林道(10:35)
⑤行動概況:
やっととれた休みがNと合致し,今回の山行が叶った。
香取Pで待ち合わせ,上の廊下直下まで降りる。そこで幕営中のTと子供たちに出会う。F1の取り付きまでご同行いただき,突破の作戦を立てる。まず,右岸のテラスまで飛び込みで泳いで渡る。テラスに立って,渦巻く滝壺を眺め水流の弱そうなところを探す。流される前提で,少し上流部にめがけて飛び込みジャンプする。あとは必死にもがいて,なんとか滝の左岸にたどり着く。アンザイレンしていたNをロープで引っ張りあげる。私の役目はここまで。Nがトップで滝に貼りつく。右手をアンダーで支えながらフリクションを効かし滝の上部に手を掛ける。滑滝の上部はホールドになるものがまるでない。バランスを保ちながら,ゆっくりザックをはずして私に預ける。その中にスカイフックが入っているため,取り出しNに渡す。Nは強い水流の中に手を突っ込み探るが,スカイフックの先端が引っかかる凹凸が見つからない。下で立っているだけの私の足も,不安定な場所でふくらはぎの張りを感じてきた。
泳ぎは任せろ!登りは任せた!
時間が経つにつれ,腕に乳酸がたまり筋力も衰えてくる。私ならばこの時点で一度退却するか,一か八か薄い引っかかりに勢いで体重を乗せて,滑って転んで滝壺へ「ドボン!」となる。しかし,Nの強いところはここからなのだ。小三郎谷のF1を倒木を掛けて突破した時も,下の廊下のF3の突破の時もそうだった。ゆっくり時間をかけて,わずかなホールドを入念に探す。これだ!と思うものが見つかるまで安易に次の行動を起こさない。滝の水流の中に左足を入れる。水流に押されて足が上がらない。右手と右足に体重を預け左手で左足を持ち上げる。ハイステップで左足を持ち上げた滝の水流の中に,わずかなホールドがあったようだ。そのホールドに左足の親指を乗せ,玉乗りのごとく,慎重にバランスをとり「じりじり」と攀じ登っていく。この時のNの鼓動や息遣いが私にもしっかり伝わってきた。
最終堰堤に無事到着
そして今回も,一度も滑落することなく見事にオンサイトを決めた。Tとこども達も拍手で彼の姿を讃えた。はにかみながら,少し右手を上げ,応える彼の姿を誇らしく感じた。私は,Nにロープで確保してもらいながら引っ張り上げてもらった。F2は残置のスリング等に鐙を掛け上がるが,これも一苦労だった。鐙を3本使って必死の思いで攀じ登った。腕の力が無くなり少し休んでいる間に,鐙が滝の底に吸いこまれていく。必死で引っ張ったが3本とも滝壺に引き込まれて行った。こんなところに誤って足でも突っ込んだらと考えると震えがきた。F2の滝の上部はくれぐれも注意していただきたい。F3,F4ともに左岸の悪いところを慎重に渡り,無事に堰堤までたどり着いた。私がもたついたおかげで遅くなったかと思われたが,Nのリードのお陰で充実した「速攻の甲川」となった。

3 件のコメント:

  1. 上の廊下,F1フリー突破,コングラチュレーション!
    下から子供たちと突破を見守っていました。
    滝口にNが攀じ登って,立った時,みんなで拍手を送りました。
    誰かに連れて行ってもらうより,自分たちで作戦を立てて行く,よかったでしょう。
    山の楽しみのひとつは発想力だと思う。そういう山をしたいね。

    返信削除
    返信
    1. バットレス行きたいですね!仕事、減量、家族サービス。しっかり準備しておかなくっちゃ!と、あらためて思いました。

      削除
  2. ガッツポーズはTへありがとうの意味で送りました,Tもガッツポーズで返してくれたので爽快でした。我が家の隣の高校の生徒であり,名前こそ変わってしまいましたが我が母校の生徒が手を振って見送ってくれてたのは嬉しかったですね。行きたくてウズウズしていた上の廊下,Mkが休みを合わせてくれて,常に豪快なダイブと気の利いたサポートに感謝です。
    次は8月6日(ちょっと微妙?)8月11日,甲川行きます。

    返信削除