2016年6月21日火曜日

2016夏 甲川(下の廊下~中の廊下)

最近しょっちゅう沢登りに行くメンバーで シーズンインした甲川を遡行してきた。
苔の新緑が目に優しいゴルジュで,漢達の高笑いがこだまする・・・
①日時:2016年6月20日(月)
②行先:甲川(下の廊下~中の廊下)
③メンバー:Mk,Oe,Ad,Mr
④行動記録:
鶯橋(8:25)→天王滝(9:20)→冑滝(13:52)→鶯橋(16:00)
⑤ 行動概況:
YCC山行で,最近活発に行動しているグループ(通称:花の無い中年トリオ)に混ぜてもらい,甲川に行ってきた。
前回,鏡野町のヒビラ川,中林川に続いてのメンバーなので,技量や体力は把握できており,今回は「やってみなはれ」精神で当たって砕けてもらう作戦。個人的には全てをフリー突破を目標にとした。
前回の沢で寒さに懲りたAdはフルウェット持参。Mkも自分もウェットスーツで寒さ対策は万全の中,Oeだけが普通の沢装備。高巻き,へつり主体なら問題ないが,今回は水流直登スタイル。Mk曰く「ゴルジュストロングスタイル」なので,Oeの装備と我々の装備では侍大将と足軽,火縄銃と竹やり並みの装備差がある。たまたま使わないウェットジャケットがバックに入っていたので,それをOeに貸し出した。これで竹やり→アーミーナイフぐらいにはLvアップした筈だ。

スタート直後カワウがおり,飛ばないなと思っていたら魚を吐き出して飛び去っていった。チェックに行くと良型の岩魚だった。新しければ昼飯にとの考えがよぎったが,やや消化が始まっており諦めた。 Mkは「良い型だ!」と興奮していたようだ。
アニメかゲームでしか見たことのない蔦登り
三連釜下段滝の左岸上方からは蔦が垂れ下がっている。頭の中で「やってみなはれ!」の声が響いた。
やってみると意外とハードで「天空の城ラピュタ」の少年のように軽々ととはいかなかった。
OeとAdも突撃→玉砕。チャレンジ精神が素晴らしい!
その後はスムーズに通過し,天王滝で一休みし,フリー突破最初の課題,上流の小滝へ。
マントリングで乗越そうと試みるも,水流に負けて中々体が上がらない。ここでMkが満を期しての登場。数回のトライで見事成功した。Mkのアドバイスは「勢い」だそう。どんなアドバイスだと思いながら,勢いで行ったら上がれた・・・。小手先に惑わされた自分に反省。

緑と天王滝とOe
その後,Oe,Adと続く。悪戦苦闘の中ホワイトウォーターと戯れすぎたのかOeにハイポサーミア(低体温症:略してハイポ)の初期症状が出始めた。やはりアーミーナイフ程度の装備力では甲川ストロングスタイルはきつかったようだ。手が震えエイトノットもままならない状態なので,Adが付けてあげゴボウで引き上げた。

少し進むと,凄まじい量の倒木が川幅一杯に広がっている。観察すると右岸上部の森がごそっと地滑りを起こしたようである。その量は凄まじく,堰き止められた場所に水が溜まりダム状になっている。水の滞った場所は,水が濁り悪臭と羽虫が涌き あまり良い感じではない。
幸いなことに水は流れているが,何かの拍子で完全に堰止湖になり,決壊→鉄砲水にならないか少し心配である。
その後の瀑流ナメ滝(足払いの滝)は難なく越したが,Oeの震えが止まらない。日当たりの良い場所に出たのと丁度昼時だったので昼食にすることにした。
凄まじい量の倒木
メニューは私が山の大先輩に教えてもらった「地獄うどん」と呼ばれる男料理。
前回の沢登りのときにMkが気に入ってくれ,今回の昼食メニューとなった。焚き火を起こし,沢水で作るうどんは格別で暖まり,皆でがっついた。焚き火と食事でOeの震えも収まり,見事回復した。

中の廊下後半戦もやはり流木が多く,淵に突き刺さった巨木を上ったりして遊びながら遡行した。川を堰き止めるようなほどの流木も数年経てば,沢登りの良いアクセントになっているかもしれないと思うと,少し楽しみだ。

冑滝直下の滝は苔の新緑で,深山幽谷・神の住む気配がしており,今回の景観では一番好きなポイントだ。
そんな神々しい場所に,3人の男達を据えるとなんとも絵になる構図ではないか。
「ふっ・・・もう花がないなんて言わせないぜ」3人の笑顔にはそう書いてあったかどうかは距離がありすぎて読み取れなかったが・・・


花のある3人組になりました
 冑滝は一番左岸端のクラックを登ろうとしたが,今の自分の力量では歯が立たず,今後の宿題となった。その後中央の滝をフリー突破できたのでまぁ良しとしよう。

時間があれば上の廊下F1,F2も触っていこうと当初は目論んでいたが,昼食に時間をかけすぎた(贅沢な!!)せいもあって,牛飼尾でタイムアップとなった。
今回の沢は行ける人が先行して,後続を引っ張るという従来のスタイルでなく,時間はかかっても皆がチャレンジをして自分の限界値を知ってもらうことが狙いだったので,今後の自身の目標や課題を見つけてもらうことが出来たのではないか。
早速Oeはウェットスーツを買うかどうか悩んでいたようだが。。。

沢登りは個人装備が必要だが(と言っても沢靴ぐらい)やれば絶対にはまる山行スタイルだと思う。 水しぶきを浴びながら登る沢は格別で,暑い夏には最高です。
中には泳げないと言う理由で躊躇している人もいるとは思うが,それは甲川が泳ぎ主体の沢だからであって,全国的に見ても泳ぎ系の沢は少ない。沢は登山の総合力が必要とされるので経験者同行が絶対だが,是非未経験のメンバーは体験してほしいと思う。

追伸:現在大山周辺(川床~阿弥陀滝,甲川)と沢沿いを中心にクマの目撃情報が多発しているようです(1頭でなく数頭いる模様)。単独での入渓は避けたほうが無難のようです。

4 件のコメント:

  1. Mrと一緒に山に行くようになって思うことは、常に明るく楽しいということ。私は調子に乗って楽しみだすと、細部の注意力が劣ってしまうのだが、Mrは締めるところをキチッと締めてくる。ゴルジュストロングスタイルで完全フリー突破は見事でした。Oe Adも初めての甲川に果敢に挑みかっこよかった。ちょっと華やかさを出すため、BE-PALでも読もうかと思ってます。

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    1. アウトドア雑誌いくら読んでも華は出ませんよ。山に対する考えや姿勢ですよ。
      その点Mkのアウトドア哲学には華があります。

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  2. 今の私では甲川よう行かんけど,愉快だ。羨ましいより頼もしい。
    お助け紐を極力使用しない「やってみなはれ」精神良いじゃないか。
    さすが,甲川に1番通った山岳会を引き継いでくれている。
    私は近年まで半ズボンで通した。一発突破とスピードがそうさせた。
    鶯橋から冑滝まで2時間,「やってみなはれ」!
    Mk,私と行った時は楽しくなかったのかな?

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    1. 甲川スピードクライミング。半ズボンは無理ですが、ゴルジュストロングスタイル&単独&フリーで狙ってみたいと思います。
      クマ騒ぎが少し落ち着いたら(泣)

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