2016年6月27日月曜日

2016夏 大山(ユートピア避難小屋)

毎年,この時期にちょっとだけ重たい荷物を持って大山の避難小屋に泊まりに行っている。北アルプスに行く前の体力測定?のような感じ。いつもは弥山避難小屋に行っていたが,今年はユートピア避難小屋にした。避難小屋に泊まってみよう!(Ys企画)も兼ねてます。
三鈷峰のアーベンロート
分かりにくいな(^^;

①日時:2016.6.25(土)~26(日)
②行先:大山(ユートピア避難小屋)
③メンバー:Y,Sz
④行動記録:
大山寺P(16:30)→下宝珠越(17:45)→ユートピア避難小屋(19:30)
⑤行動概況:
明るいうちに小屋に着きたいと思って,16時出発を目指していたが少し遅い出発になってしまった。夕方になっての出発だから涼しいだろうと思っていたのだが,歩き始めると徐々に暑くなり汗が噴き出てくる。下宝珠越に着くと心地良い風が吹いてきた。上宝珠越に近づくと,夕日がきれいに見える。三鈷峰のアーベンロートも美しい。明日のご来光が楽しみだ!そうこうしているうちにユートピア避難小屋に到着。誰もいない貸し切り状態。まずはビールで乾杯!すぐに酔いが回って就寝モード。ところが,外が騒がしい。風がすごい。台風並みの強風で,うるさくてなかなか眠れなかった。翌朝,寝不足気味ながら4時起床。今日のご来光は…外はガスガスで真っ白だ~(;゚Д゚)三鈷峰に行くのは諦めて,再び就寝。今回の山行は北アルプスの訓練と自分に言い聞かせて,野田ヶ山経由で下山した。

2016夏 寺ヶ谷川(てらがやがわ)

初心者歓迎で募集をしたが,結局おなじみのメンバーなので,最近お気に入りの泉山水系の寺ヶ谷川をイケイケで攻めて来た。
①日時:2016年6月27日(月)
②行先:寺ヶ谷川
③メンバー:Mk,Ad,Mr
④行動記録:
寺ヶ谷林道終点(8:50)→2段15m(9:04)→15m(10:30)→寺ヶ谷滝30m(11:00)→寺ヶ谷滝上部(13:45)→寺ヶ谷林道(15:10)
⑤行動概況:
泉山の沢は堆積岩で高低差があり,水量もそこそこで以前から気になっていた。
前回,雰囲気をつかむ為に,ヒビラ川と中林川を遡行し,島根や大山周辺ではあまり見ない渓相で,水量と滝の多さに一気に虜になってしまった。
そして,今回最も多くの滝と水量を誇る「寺ヶ谷川」を遡行することに。
本流の香ヶ美川は先日のまとまった雨で,結構なハイウォーターである。
下山口の中林登山口に車をデポし,寺ヶ谷林道を詰め入渓。水量は通常より30cm程は多いだろうか。前回フルウェットで甲川を攻めたAdは,今日はただのつなぎ。ケイビングスタイルである。
F1・2段15m 美瀑
入渓後すぐに2段15m滝が現れる。黒い岩肌に白い水流が映え,美しさにしばし見入る。
2段目は難なく登り,1段目は安全のためにロープを出す。登攀ライン上を勢い良く水が流れ落ち,水圧と視界の悪さで意外と登りづらい。
セカンドはAd。果たしてケイビングスタイルでこの極寒のシャワークライミングを耐え抜けるのか!!・・・・・耐え切れなかった(泣)。

寒さと水しぶきがメガネに掛かって視界不良が敗因でした。
今度来る時はウェットと度付きゴーグルは必須アイテムである。 続いてMkはあっさりと登りクリア。高度感がそこそこあり楽しめた。
その先にも白く流れる帯状の滝がずっと続いているのが見え,メンバー一同期待感が隠し切れない。
その後現れた15m斜瀑は直登出来そうだが, 水圧が凄まじく入ったらカタパルトよろしく吹っ飛ぶこと必至なので、横を登る。


15m斜瀑を上から,水圧凄い
斜瀑を登りきると藪の切れ目からチラチラと巨大な白い壁が見える。あれが噂に聞く「寺ヶ谷滝」か。。。今回の核心(ラスボス)である。
核心に相応しく近くで見るその大きさは圧迫感を覚えるほどである。また水量が多いこともあってその美しさは神々しく,近くに社と修験者用の潰れた篭り堂が在るのもうなずける。
感嘆の声をあげつつも,この時私は心の中でこう叫んでいた。「デカイよ!ヤバイよ!多いよ(水が)!」
冷静さを装いつつ,ルートを確認する。中段にテラスがあり,そこから右岸側の本流直登ルート と左岸ベタの草付きルートが行けそうである。
とりあえず中段まで登ってそこで考えましょうということになり,早速トライ。
「違う・・・岩が今までの岩じゃない・・・」
ここまではどちらかというとエッジのある掛かりの良い岩質だったが,水によって磨かれた滝は意外と丸く,水流もあって中々1歩が踏み出せない。
これがほんまのシャワークライミングやぁ!
中段まで登ると,下から見るとフラットに見えたテラスも斜めで足場は良くない。この時点で右岸直登コースは消えた。左岸ベタへ移動するがここも,水流と寒さで中々安定したランニングが取れない。何とかハーケンを打ち込み草付横の洞窟(?)でビレイポイントを作成しホッと一息。MkとAdも登攀し(寒くなる前に登りきる作戦のAdは,中々のスピードクライミングを見せてくれた),ビレイポイントで合流。興奮を分かち合う。


草付(通称:野菜畑)を登攀する
中段からの草付もズルズルで案外悪く,手がかりを探す為生えている ウワバミソウやらシシウドを引っこ抜きながらよじ登る。

25m登ったところで,樹林帯に出たのでそこでビレイし後続の2人も見事完登。
滝の上部に出た時点で,タイムアップギリギリ。とても尾根まで出て車のデポ地には行けそうにないので,14時半には下山開始を決めて続行したが,ひどい倒木でゲンナリきたので,早めに下山開始。管理道やら獣道やら使い,15時過ぎには入渓ポイントへ帰着した。

今回は水量がかなりあって,事前に調べていた難易度より高かったが,怪我なく無事登り終えることが出来たので大きな自信となった。
ただロープの流れを考えたランニングを構築できなかったのは,今後の課題である。
寺ヶ谷滝の上にはもう一つ巨大な滝があるので,次回はそこも登って是非,泉山のピークを踏みたいと思う。
沢野郎の皆様のご参加お待ちしております!!

2016年6月21日火曜日

2016夏 甲川(下の廊下~中の廊下)

最近しょっちゅう沢登りに行くメンバーで シーズンインした甲川を遡行してきた。
苔の新緑が目に優しいゴルジュで,漢達の高笑いがこだまする・・・
①日時:2016年6月20日(月)
②行先:甲川(下の廊下~中の廊下)
③メンバー:Mk,Oe,Ad,Mr
④行動記録:
鶯橋(8:25)→天王滝(9:20)→冑滝(13:52)→鶯橋(16:00)
⑤ 行動概況:
YCC山行で,最近活発に行動しているグループ(通称:花の無い中年トリオ)に混ぜてもらい,甲川に行ってきた。
前回,鏡野町のヒビラ川,中林川に続いてのメンバーなので,技量や体力は把握できており,今回は「やってみなはれ」精神で当たって砕けてもらう作戦。個人的には全てをフリー突破を目標にとした。
前回の沢で寒さに懲りたAdはフルウェット持参。Mkも自分もウェットスーツで寒さ対策は万全の中,Oeだけが普通の沢装備。高巻き,へつり主体なら問題ないが,今回は水流直登スタイル。Mk曰く「ゴルジュストロングスタイル」なので,Oeの装備と我々の装備では侍大将と足軽,火縄銃と竹やり並みの装備差がある。たまたま使わないウェットジャケットがバックに入っていたので,それをOeに貸し出した。これで竹やり→アーミーナイフぐらいにはLvアップした筈だ。

スタート直後カワウがおり,飛ばないなと思っていたら魚を吐き出して飛び去っていった。チェックに行くと良型の岩魚だった。新しければ昼飯にとの考えがよぎったが,やや消化が始まっており諦めた。 Mkは「良い型だ!」と興奮していたようだ。
アニメかゲームでしか見たことのない蔦登り
三連釜下段滝の左岸上方からは蔦が垂れ下がっている。頭の中で「やってみなはれ!」の声が響いた。
やってみると意外とハードで「天空の城ラピュタ」の少年のように軽々ととはいかなかった。
OeとAdも突撃→玉砕。チャレンジ精神が素晴らしい!
その後はスムーズに通過し,天王滝で一休みし,フリー突破最初の課題,上流の小滝へ。
マントリングで乗越そうと試みるも,水流に負けて中々体が上がらない。ここでMkが満を期しての登場。数回のトライで見事成功した。Mkのアドバイスは「勢い」だそう。どんなアドバイスだと思いながら,勢いで行ったら上がれた・・・。小手先に惑わされた自分に反省。

緑と天王滝とOe
その後,Oe,Adと続く。悪戦苦闘の中ホワイトウォーターと戯れすぎたのかOeにハイポサーミア(低体温症:略してハイポ)の初期症状が出始めた。やはりアーミーナイフ程度の装備力では甲川ストロングスタイルはきつかったようだ。手が震えエイトノットもままならない状態なので,Adが付けてあげゴボウで引き上げた。

少し進むと,凄まじい量の倒木が川幅一杯に広がっている。観察すると右岸上部の森がごそっと地滑りを起こしたようである。その量は凄まじく,堰き止められた場所に水が溜まりダム状になっている。水の滞った場所は,水が濁り悪臭と羽虫が涌き あまり良い感じではない。
幸いなことに水は流れているが,何かの拍子で完全に堰止湖になり,決壊→鉄砲水にならないか少し心配である。
その後の瀑流ナメ滝(足払いの滝)は難なく越したが,Oeの震えが止まらない。日当たりの良い場所に出たのと丁度昼時だったので昼食にすることにした。
凄まじい量の倒木
メニューは私が山の大先輩に教えてもらった「地獄うどん」と呼ばれる男料理。
前回の沢登りのときにMkが気に入ってくれ,今回の昼食メニューとなった。焚き火を起こし,沢水で作るうどんは格別で暖まり,皆でがっついた。焚き火と食事でOeの震えも収まり,見事回復した。

中の廊下後半戦もやはり流木が多く,淵に突き刺さった巨木を上ったりして遊びながら遡行した。川を堰き止めるようなほどの流木も数年経てば,沢登りの良いアクセントになっているかもしれないと思うと,少し楽しみだ。

冑滝直下の滝は苔の新緑で,深山幽谷・神の住む気配がしており,今回の景観では一番好きなポイントだ。
そんな神々しい場所に,3人の男達を据えるとなんとも絵になる構図ではないか。
「ふっ・・・もう花がないなんて言わせないぜ」3人の笑顔にはそう書いてあったかどうかは距離がありすぎて読み取れなかったが・・・


花のある3人組になりました
 冑滝は一番左岸端のクラックを登ろうとしたが,今の自分の力量では歯が立たず,今後の宿題となった。その後中央の滝をフリー突破できたのでまぁ良しとしよう。

時間があれば上の廊下F1,F2も触っていこうと当初は目論んでいたが,昼食に時間をかけすぎた(贅沢な!!)せいもあって,牛飼尾でタイムアップとなった。
今回の沢は行ける人が先行して,後続を引っ張るという従来のスタイルでなく,時間はかかっても皆がチャレンジをして自分の限界値を知ってもらうことが狙いだったので,今後の自身の目標や課題を見つけてもらうことが出来たのではないか。
早速Oeはウェットスーツを買うかどうか悩んでいたようだが。。。

沢登りは個人装備が必要だが(と言っても沢靴ぐらい)やれば絶対にはまる山行スタイルだと思う。 水しぶきを浴びながら登る沢は格別で,暑い夏には最高です。
中には泳げないと言う理由で躊躇している人もいるとは思うが,それは甲川が泳ぎ主体の沢だからであって,全国的に見ても泳ぎ系の沢は少ない。沢は登山の総合力が必要とされるので経験者同行が絶対だが,是非未経験のメンバーは体験してほしいと思う。

追伸:現在大山周辺(川床~阿弥陀滝,甲川)と沢沿いを中心にクマの目撃情報が多発しているようです(1頭でなく数頭いる模様)。単独での入渓は避けたほうが無難のようです。

2016夏 イワナ&たき火&吾妻山

沢は魅力が溢れている。その魅力を個々に,時間をかけて楽しむなら,時間はたくさんある方が良い。しかし今は,子どもの習い事のお迎え時間が決まっているため,タイムリミットがある。残念だがそれも大切な仕事だ。だがいつか,そんなタイムリミットもない,ゆったりした時間で,寒くなればたき火をし,山菜があればそれを食べ,魚があれば釣りをして,日当たりの良い瀬でタープを張り,酒に浮かぶ月を眺めながらイワナに喰らいつく。沢から尾根に上がり尾根から沢を下る。人里の暮らしが恋しくなったら,山を下りて温泉に浸かり冷たいビールを飲む。そしてまたザックを担いで沢を進む。いつか,そういう山旅をやってみたい。今回,理想の山の一部分を切り取ったようなこの計画にStが付き合ってくれた。YCCで仲間ができて本当にうれしい。たき火を夢見心地で見つめながら,酒と煙に燻され,月の光に照らされながらシュラフに潜り込んだ。
月夜の下で
①日時:2016年6月18日(土)
②行先:吾妻山(大膳原野営場)
③メンバー:St,Mk
④行動記録:
奥出雲某所にて渓流釣り(17:30)→馬木登山口(19:00)→大膳原野営場(19:40)
大膳原野営場(6:30)→馬木登山口(7:30)
⑥行動概況:
翌日は町のバレー大会。8時集合である。時間が無い。それでも休みを合わせて山で寝てみたいとStが時間を合わせて志願してくれた。そのお礼に,秘密のポイントへ招待する。夕暮れまでに4匹は釣りたい。釣りも山スキーもたき火でさえも,大切なのは所作。ルーティーンである。老眼で結ぶ糸が見えないStを見て見ぬふりをしながら,早々と2匹釣る。ポイントを変え,何匹か釣る。サイズが小さく雌ばかりなのでリリースする。Stの方へ眼をやると,目を細め,手を伸ばしてぶつぶつ言いながらまだ仕掛けを作っている。手を貸そうかと思ったが,こういう時,Tはいつも私を温かい目で見つめながら私をほっておいた。だから私もそれに習い,Stをほって釣りに没頭した。しばらくすると,竿を立てニタニタしながら私の方へ近づいてきた。なんと,糸の先にはサイズの良いイワナがついていた。少年のように目を輝かせながら「やりました」と言って得意げにそれを私に見せてきた。とてもうれしかった。やっぱり,同行者が喜んでくれるのが何よりである。もっと大きいのを釣ってビビらせようと,少し下流にポイントを変えて釣ったが,釣れるのはドロバエばかり。結局サイズが良いのは2匹だけだった。Stに「どうだった?」と聞くと「3匹釣れました」とさらに瞳を輝かせて言って来たので,少しイラッとしながら桶を除くと,1匹ドロバエが混ざっていた。さっさとそいつをリリースしてやり「お互い2匹ずつでよかったですね」と声をかけた。危ないところだった。それから場所を車で移動し馬木から大膳原へ上がっていく。食材,ウイスキー,タープ,重たい氷。明らかに私のザックはパンパンだ。重いザックを降ろして薪を拾いに行く。Stにタープの支柱となる倒木を探してくるようにお願いするが「ありませんでした」と言って帰ってきた。「マジで?」イライラッとしながら,もう一度探して下さいとお願いすると,今度は床の間の柱のような倒木を担いできた。St恐るべし,本気を出せばすごい男だ。タープを張って,たき火を始める。火が出来上がるまで,ビールを流し込んだ。特大の岩ガキをナイフで掻きだし頬張った。美味い。大きなイカを刺身にしていただき,さっきのイワナが塩焼きになるのを待った。鍋にウイスキーと氷をぶちまけチビチビと飲む。ケンウッドのスピーカからハービーハンコックが流れる。イワナが焼けるころには,2人もまた,たき火と酒に燻され良い気分に出来上がっていた。朦朧としながらイワナに喰らいつき,そのままタープの下で眠りについた。2時頃からスコールになり,明け方は雷が落ちていた。私は少し濡れていたので寒かった。カッパを被り,強い雨に打たれながら緩んだタープのひもを貼り直した。空は赤紫に光り,タープを叩きつける雨音はすさまじい。
Stとの山は常に楽しい
肌寒さと,もしかしたら,この床の間の柱に雷が落ちるのではという不安であまり寝ることが出来なかった。しばらくすると雨は和らぎ「テッペンカケタカ」とホトトギスが鳴きだした。もうすぐ夜明けである。私がモゾモゾしだすとStも起き上がってきた。震える不安な夜を過ごしたことだろうと「よく眠れましたか?」とStに声をかけた。「いや~快適でぐっすり眠れました」と返ってきた。「あっそう。そうですよね~」St恐るべしと思いながら,そそくさと荷物をまとめて下山し,バレーボール大会の得点係りで,2回寝落ちしました。St楽しかったです。又よろしくお願い致します。

2016年6月13日月曜日

2016夏 北アルプス(奥又白池&徳本峠)

上高地を徳澤園に向け出発
Knのザックは優に20kを超えている
20代のKn,50代の私,70代のSi,3世代の不思議な?パーティで上高地に向かいました。
上高地から徳澤園まで一緒に歩き1泊後,Knと私は奥又白池に,Siは徳本峠に(後記にSiメモ)。
山上の楽園は数あれど,奥又白池周辺は私の1番好きな場所のひとつ,「同じ所ばかりだな」と言われてもね…
前穂東壁のルンゼには残雪が岩壁にアクセントを付け一層の迫力があった。
大山夏山開きの時,前穂北尾根の話が出た。前穂北尾根に行くにしてもせめて奥又白池程度なら余裕で歩けないといけないのだが…
中畠新道分岐,雪渓は松高ルンゼ
①日時:2016.6.10(金)~12(日)
②行先:奥又白池(T,Kn)&徳本峠(Si)
③メンバー:T,Kn,Si
④行動記録:
徳澤園(5:00)→中畠新道分岐(6:30)→(9:30)奥又白池(11:05)→中畠新道分岐(12:50)→徳澤園(14:05)
⑤行動概況:
行動前日に上高地入りし,徳澤園まで歩く(T,Siは小屋泊,Knはテント泊)。
Knはアルプステント泊初体験なので快適に過ごしてほしかった。私の好きな場所,楡の巨木の下は石で囲んであり,そこは諦め,草のクッションのある場所を選択。徳澤園キャンプ場見渡し(5張り程度),一番良い場所に一番高価なテントが張れた事に密かなに優越感を持つ。
翌日はSiの見送りと「無理をしちゃダメ」の忠告を受け早朝5時に徳澤園を出発する。
自分としては最低限奥又白池まで,体調良ければ5・6のコル,涸沢経由で帰って来ようと思っていた。さらには北尾根の偵察も。
ゆっくり歩いているつもりなのに足は上がらないは息は切れ,不安がよぎる。中畠新道分岐で大休止,補助ロープは彼に渡し,さらにスローペースで登る事を決意する。
奥又白池直下
松高ルンゼは残雪はあるものの途中あちこちで雪が切れており登るのはきつそう,松高尾根(中畠新道)を選択。いきなり木登りのような急登が始まる。後は高度との闘い。Knに「今何m?」と何度となく聞き,一喜一憂しながら登りました。奥又白池直下から残雪がありピッケルを取り出す(As,昨年の源治郎尾根の反省でアイゼンも持参しましたよ)。左手に回り込み上がるとぴょっこり奥又白池に出現する。奥又白池はやっと氷が解け始めたようでまだ水中には氷が残っている。
出発してここまで誰一人会うことなく,奥又白池から周囲を見渡しても人の気配は全くなかった。ここは下界の喧噪を離れた別天地であった。
奥又白池にて
バックは北尾根,2人の間が5・6のコル
到着時刻まだ9時半,この時刻で普通なら来た道を引き返すなんてないだろう。ゴジラの背のような北尾根ははっきり見渡せ,5・6のコルも明瞭で上までしっかり雪が付いている。何回ともなく歩いた5・6のコルまでの道,Knに「さぁ行くぞ!」とは言えなかった。「どうする?」と聞いた時点で私の弱音が見透かされた。強いリーダーKnの「十分満足しました。引き返しましょう」の言葉にここで引き返す事が決定する。内心ほっとする自分がいる。
せめてこの絶景をもう少し楽しみたいのと写真撮影に裏手の小山に上がる。前穂東壁はさらに迫力をもって迫り,5・6のコルは近くなったように感じた。トラバースして少し登れば行けるのにと未練がましく思いながらもアイゼン装着し雪渓を下りました。
奥又白池と前穂北尾根全景
徳澤園に帰着しビールで乾杯後,Siの待つ嘉門次小屋に向け1人(Knはもう1泊徳澤園でテント泊)とぼとぼ歩きました。疲れていたとはいえ何人の人に追い抜かれた事だろう。改めて体力のなさを実感すると同時に奥又白池往復が正解だったと思い知りました。
⑥後記:
20年程前に集中登山登山三部作(槍ヶ岳,剱岳,穂高岳)と銘打ってバリエーション含めた集中登山を企画したことがあった。唯一穂高岳(前穂高岳北尾根)だけが宿題として残った。宿題を片付けるなんて聞こえは良いが,本当は行っていない所へ行きたいのだが…

「念願の徳本峠」文責Si:
ウォルター・ウエストンが絶賛した峠,一度チャンスがあればと思っていた徳本峠へ奥又白池に行くT,Kn両名を見送った後,ゆっくりと徳澤園を出発する。
一旦上高地方面に戻り,途中カラマツ・シラビソのうっそうとした白沢谷沿いの林道を行く。やがて傾斜が徐々にきつくなり谷沿いのジグザグ道,往年のアルピニスト達が歩いた峠道をあえぎながらコマドリの声に励まされ徳本峠へたどり着く。峠には昔から変わらない姿の古びた趣のある小さな山小屋,テン場には2張のテント,誰一人いない静かな峠,ほっと溜め息をついて前を見ると,前穂、西穂,奥穂高岳ジャンダルム,アルプスの山々…  その前にどっしりと明神岳,ウエストンが「山並はどこからでも見られるが,この眺望に勝るモノは無し」と言っただけあり,思わず感嘆の声が出る。二度と来ることは無いであろうとしっかり脳裏に焼き付け,ウエストンの名ガイド上條嘉門次の小屋へ下山を開始した。

2016年6月12日日曜日

2016夏 吾妻山

最近まともに歩いていなかったことといつ遠征に声をかけてもらっても良いよう準備をしておこうと,若干長めのコースを計画してみた。
参加者が多く集まると思っていたが,蓋をあけると私を含め3名という少なさ。
朝6時スタートは早かったですか?それとも「雨男」との山行を遠慮されたのですか?
①日時:2016年6月12日(日)
②行先:吾妻山
③メンバー:Ys,Mt,Ym
④行動記録:
広島県民の森公園センター(6:00)→池の段(7:20)→烏帽子山(8:30)→(9:30)吾妻山(10:10)→烏帽子山(11:00)→毛無山(12:10)→公園センター(13:10)
⑤行動概況:
晴れている池の段
曇り空のなか,公園センターを出発する。加えてやや早い時間ということもあり,気温がさほど高くなく,歩きやすい。いつ(雨が)降るんだろうと思いながら歩くものの,池の段に着く頃には,ある程度の日差しを感じられるほど明るくなり,このまま降らないでは?と淡い期待をする。そこから比婆山へ向けて歩くと,イチイの老樹のあたりがロープで囲われており若干迂回するようになっていた(地面には老樹から放射状に数本の溝が掘ってあった)。
比婆山に着きすぐに烏帽子山へと歩みを進める。
曇っている吾妻山山頂
そこから大膳原へ下り,心地よい風を受けながら吾妻山を目指し,スタートから3時間半で吾妻山へ着いた。
ここで,長めの休憩を取る。Ymが持参したりんご,バナナを頂戴し栄養を補給する(山で食べるフルーツは格別である)。歩き始めようとすると,あたりが雲に覆われはじめ「降りそうだなぁ!」と皆が思い始める。大膳原に戻ると子ども会とおぼしき集団とマダム風登山グループと次々すれ違い,賑やかさを感じた。
小雨ぱらつく毛無山
そして,烏帽子山に到着する頃に小雨がぱらつき始め,山頂でレインウェアあるいは傘を取り出す(ここでYmが持ってきたグレープフルーツをいただく)。
ただし,雨脚が弱かったこととほとんどが森の中の歩行だったことから,大きく濡れることなく毛無山に到着する。毛無山から公園センターへ下る途中はぬかるみが多くあり,足をとられそうになったがバランスよく歩き,無事公園センターに到着した。

2016年6月5日日曜日

2016夏 大山夏山開き

宴会のスタート
食料の買い出しから,テント,ブルーシートの設営等々,何から何まで準備された皆さん,本当にお世話になりました。
大山夏山開き前後の山行,船上山クライミングと五右衛門風呂山行2つとも参加しないし,せめて大山夏山開きにはと数年ぶりに。
ここ数年の世代交代で,代表Sも話相手がいなく寂しかろうと半ば強引にYCCの小姑Siも誘った。これが私の重要な?仕事でした。
初めての大山夏山開きから40年以上も経つ。今ほど豪華な宴会ではなかったがジンギスカンを食べ,翌日は大山縦走のルーティーン,いっぱしの山屋になった気分になったのも遠く昔の話。
岳獅会のメンバーと(仲良かったっけ?)
寂しいけど昔ほど大山夏山開きのときめきはなくなったが,初めて松明行列に参加する新人は幻想的な炎の河に感激したようである。
①日時:2016.6.4(土)~5(日)
②場所:大山下山キャンプ場
③メンバー:写真参照,会員10名の参加
④トピックス:
・小雨が降っていたのでブルーシートが設営されたが,その大きさが凄い。20畳のブルーシート,下山キャンプ場で一際目立っていた。
・Stが調達してくれた魚介類が凄い。山で鮪のカマがいただけるなんて。生食の岩ガキも美味しかった。食材でも下山キャンプ場で一番。
Stが調達してくれた鮪のカマ
・山陽組As,Skは前日から同じ場所にテントを張り,大山夏山開きに臨んだ。毎度のことながら彼らの行動力には頭が下がる。
・Siと岳獅会のKさんがハグをしていた。連れてきたのは間違いだった?!
・プレ山開き山行,船上山クライミングが実行され,メンバーはAs,Sk,Mt,Kn。
・ポスト山開き山行,五右衛門風呂山行が実行され,メンバーはY,Sz,St。
・月末のアルプス山行を決めた。