2016年5月30日月曜日

2016春 大山(キリン峠~駒鳥小屋)

稜線直下のお花畑
最初に言っておく。私はまたしても前回の甲ヶ山,前々回の烏ヶ山同様,キリン峠には行っていない。独り途中でメンバーと別れ直接駒鳥小屋に向かった。Ys企画「避難小屋に泊まってみよう」に付き合うためだ。体力なくなったというのに何てサービス精神があるのだろうと感心する。本当はこの企画,新入会員,初心者用に考えた企画なんですが…
この山行のトピックスはキリン峠周辺のお花畑と駒鳥小屋の恐怖?の一夜かな。
①日時:2016.5.29(日)~30(月)
②行先:キリン峠~駒鳥小屋
③メンバー:Sz,Ys,E,Y,(T)
④行動記録:
鍵掛峠P(8:40)→文殊越(9:50)→キリン峠(10:30)→鳥越峠(11:30)→(12:20)駒鳥小屋(13:20)→鳥越峠(14:00)→鍵掛峠P(15:00)
2人も花のつもり(キリン峠上部)
⑤行動概況:
どんぐりP8時集合し,いつものブリーフィング。歩かない(歩けない)私がいろいろ指示を出す。キリン峠から鳥越峠を経由せずに駒鳥小屋へ行く旧道の有無やショートカット等々。
どんぐりPでは晴天だったのに,鍵掛峠Pでは雨の降りそうな雲行きに変わり,雨を覚悟で出発する。
スローで20分程歩くと,木谷分かれのショートカット地点に到着する。ここで私は駒鳥小屋,他のメンバーはキリン峠と別れる。無線を携行し互いの行動を把握することとした。これからは無線の活用が増えそうだ。
私が鳥越峠に到着した時点では彼らはまだ稜線直下のガレ場を上がっておりカッパを着用したとの無線が入る。鳥越峠付近を境に上はガスに覆われており,ポツリポツリと雨があったが駒鳥小屋までカッパを着ることはなかった。
煙に燻されながら昼食をとる
駒鳥小屋に到着すると板場とたき火場の大掃除。板場にはマットやらペットボトル,たき火場には金網などが散乱している。持参した物は全て持ち帰る。何でできんのかね。
枯れ枝を集め火をおこし,窓全て全開し煙で小屋内を燻すと虫も退散し,一冬の汚れが消し飛んだようで気持ち良かった。
そうこうしているうちに鳥越峠に到着したとの無線が入る。帰りは直接キリン峠から下りてくると思っていたのだが,まぁいいか。地図と地形をにらめっこしながら歩けばもっと楽しいと思うのだが…
駒鳥小屋に集合し昼食をとり,日帰り組は下山した。トピックスはメンバーに聞いて下さい。
⑥その他:
・駒鳥小屋は大休峠避難小屋同様よく利用した。駒鳥小屋,宿泊回数は40泊を越え大休峠避難小屋より多いかもしれない。しかし小屋でたき火をするのは今回が初めてで,それなりに楽しかった。毎度のことながら火の光は心を落ち着かせてくれる。Mkが好きなのがよくわかる。第2弾はMkの大休谷のコラボを考えていたのに甲川に変更になり残念だ。
・昨日は高校総体登山競技の登山行動が大山周辺で行われていた。一時登山競技に関わった者が違うコースを歩いている。寂しい気持ちと少し申し訳ない気持ちがありました。駒鳥小屋は毎年4月下旬高体連で使用していたので思い出ありすぎ。

2016春 猿政山(内尾谷川)

3の滝前で
今回,内尾谷川を詰めて上がるのは3回目となった。初めて突破した時の感動は今でも忘れられない。だが5月4日の暴風が影響したためか,杉の倒木が沢を覆い隠すように,沢の景色を封じ込めていた。幸いにもF2から先は美しい景色が続いたが,以前のような景色に戻るのに壮大な時間軸を持つ山は,いったい何年かけて戻していくのだろうか。
①日時:2016.5.30(月)
②行先:猿政山(内尾谷川)
③メンバー:Oe,Ad,Mk
④行動記録:
林道P(7:30)→稜線(11:30)→猿政山(12:30)→林道P(14:00)
⑤行動概況:
集合場所に早めに到着し,ロープワークの確認。今日の突破方法など入念な打ち合わせを行う。最終堰堤より入渓し歩き始めると間もなくF1に到着する。Mkが上がってAdをロープで確保する。ケービングの経験豊富な彼は,岩の触り方が上手かった。
この淵は腰までつかるが他は浅い
F2は2ヶ所ビレイをとって上がり,セカンドからはTRで滝を突破した。サードのOeがピトンを回収し,残置や形跡は残していない。F3はイージーなのでフリーで抜けて,F4に着いた。過去2回は全く行けそうな気がしなかったが,今回はホールドがカッチリしているように感じた。Mkが水の無いところを潅木を掴んで上がり,上部の幹で支点をとって確保した。まずOeが左よりの水のある所から上がってきた。続いてAdも上がってきた。これで,猿政山内尾谷川の完全突破が完成した。どちらかと言えば,あまり花の無い中年のおじさんトリオではあるが,面白い山をたくさんやって行けそうな期待が膨らんだ。今回はワサビ畑を直進せず,右の稜線に抜ける沢を上がった。フェルトがツルツル滑り難儀したが,猿政山の山頂に立ち,帰路は林道を通って無事に下山した。

2016年5月16日月曜日

2016春 中蒜山(小三郎谷)

苔と新緑
沢登りの季節がやってきた。と,強気で言いながらも冷水に浸かるのはちょっと気が引ける。この小三郎谷は水がない。淵のあった滝の跡が点在するが,そこに流れる水はほとんどない。遥かな古代より,ゆっくりとした時間の中で,蒜山そのものが変化し続けているのだろう。深く削られたゴルジュ。爽やかな香りが立つような緑の苔。壮大な古代ロマンに思いを寄せながら,立ちはだかる滑る壁を突破し,異彩を放つ小三郎谷を詰め稜線に抜けた。
①日時:2016.5.16(月)
②行先:中蒜山(小三郎谷)
③メンバー:Mr,0e,Mk
④行動記録:
放牧地(7:00)→井川下降地点(7:30)→小三郎谷分岐(8:30)→F1(8:35)→F2(10:00)→縦走路(10:30)→中蒜山(11:00)→塩釜登山口(12:00)
⑤行動概況:
F1を登る
暴風もまた涼し
牧草地の脇にある轍のある道を進んでいく。右の林が明瞭になったころ井川への下降地点を探し降りる。下降ポイントは1ヶ所のみである。あとは切り立っており20m以上の懸垂下降が必要だ。しばらく歩くと泥壁が苔壁へと変化する。この時期にこの山行計画を立てた理由は,苔壁の背景に,樹々の新緑を重ねる風景が見たかったことがある。柔らかい新緑と,キラキラ輝く苔の緑のマリアージュは,狙った通りの美しい景色だった。しばらく行くと,小三郎谷へ分かれる分岐に到着する。イモリがソヨソヨト泳ぐ姿が見え始めると,すぐにF1へ到着する。縦に入ったリスを使い,山岳会らしい器具を取り出してこの滝を突破する。苔壁の美しい景色を守るため,残置や形跡は残していない。リスは浅く,もろくて決まりにくい。試行錯誤を繰り返し,Mrがルートを作ってくれた。その次の滝も,そして最後の滝も安全を確保してくれ,全員が高巻きなしで突破した。最近,会での勉強会が増えてきた。積極的に参加し,安全登山を行っていきたい。中々,日程が合わず,参加できない現状もあるが,こうしてMrがメンバーに加わってくれた時には,たくさんの事を教えてくれる。とても嬉しく心から感謝している。YCCには,その道に精通する方がたくさんいる。そして,深い所で愛情をもって接してくださり,人を育てる風土もある。その言葉の意味を,深い所で理解し,自分とYCCとの意味付けをより良いものにするならば,見える世界も変わってくるだろう。2014に,一緒にこの沢を登ったNが新しい道を進んだ。彼にエールを送る気持ちと,これからのYCCのさらなる発展を思うと,荒れる風もまた,爽やかな涼しさを感じた。

2016年5月13日金曜日

2016春 甲ヶ山

よく登場する岩稜地帯
先日の烏ヶ山と同じメンバー,同じ登山形態?で甲ヶ山に行ってきた。私は甲ヶ山には行っていない。下から偉そうに無線で指示していただけだ。まともに歩けないのだから仕方ないと開き直る。
大休峠までは全員で行動し,ここで二手に別れ,健脚組(Knプラス1)は甲ヶ山に向かい,そうでないメンバー(Si,T)は甲川に向かい,甲川で健脚組を待った。
①日時:2016.5.13(金)
②行先:甲ヶ山
甲川に下りてきました
③メンバー:Kn,Si,T,外部(1)
④行動記録:
香取P(8:00)→(9:20)大休峠(9:50)→甲ヶ山(11:45)→(13:20)甲川(13:50)→香取P(14:50)
⑤今昔物語,その他あれこれ:
・20数年ぶりにT新道(S新道に対抗して勝手に名付けた)を通り甲川に向う。
・甲ヶ山初めての2人,想像以上のスピードで甲川に下りてきた。大したもんだ。
・下降路の涸れ沢,昔は滑りやすい沢を登降していたが,今は右岸側にトラロープが張ってあり道ができている。私は左岸側を行く。
帰路,巨樹からエネルギーをもらう
・香取に帰るには甲川を少し下って川から離れ急斜面を上がらなければ行けないが,川に沿って下ってしまった高校生が遭難騒ぎを起こしたことがある。仮に下って行ったとしても上の廊下まで厳しい箇所はない。
・甲ヶ山から下りた甲川周辺,格好のテン場になる砂地があり下界から逃げるように泊まりにきた。砂地は大水で流れてしまったようだ。
・健脚組に岩魚の塩焼きでも食べさせてあげたかったのに釣り道具を忘れた。

2016年5月6日金曜日

2016春 船上山(屏風岩:クライミング)①

本日のメンバー(カメラマンKn,クライマーSz)
退会する人,入会する人,やる気満々の人,会山行より我が道をいく人,山はもういいやと思う人,いろいろな人間模様を考えながら船上山に向った。これからYCCどうなっていくのだろう?会員が増えてくるとどの山岳会でも出てくる問題だろう。そんな憂いは岩と対峙していると忘れることができる。
船上山デビューの3人含め,会員が8人も集まった。これだけの人数初めてじゃないか!Mtの人徳か?!
岩登りは岩と自分以外は全て忘れる。船上山P9時集合して,17時に解散。8時間も船上山屏風岩と戯れる。最近のモヤモヤも晴れ,愉快な仲間と楽しい時間を過ごすことができた。年寄りに付き合ってくれる若者に感謝せないけん。
左手のホールドを取るMt得意のムーブ
Knは右手のクラックをハンドジャムで突破
①日時:2016.5.5(木)
②行先:船上山(屏風岩)
③メンバー:Mt,Mr,Kn,Y,Sz,E,Ys,T
④行動概況:
船上山駐車場で今日のルートを確認し,賑やかに屏風岩目指して出発する。賑やかなのはSzがいるせいか?
彼女は場の雰囲気を明るくする良いキャラクターを持っている。船上山デビューなのでなおさらだ。
まずは練習岩でYs指導でY,E,Szが登りながらビレー,懸垂下降の練習を行う。
岩と対話するYs
その間にMr,Mt,Kn,Tはロープを架けに千丈覗き方面に移動し,Mr,Mt組は覗き正面(カンテ),覗き凹角に,Kn,T組はスラブにロープを架け,練習岩組を待った。
それぞれがワイワイガヤガヤ言いながら2から5本程度登り本日の山行を終了した。楽しい1日でした。
⑤その他:
私のトピックスは船上山屏風岩初めてのKn,覗き凹角で最後の被り気味の箇所,その右側のクラックをハンドジャムで突破した事。私もチャレンジしたが手が痛いのと上手く固定できない。これが実力だ。
カンテでカントのSz
クライミング,年に数回しか行かない私だがクライミングを楽しむ。
山は楽しむもので,スタイルや優劣にこだわる必要がない。気軽に参加して下さい。

Have fun !

2016年5月5日木曜日

2016春 懇親会&大山春山パトロール

恒例の大山春山パトロール。その前日に懇親会を開催して,親睦を深めた。

いつもの豪華な食事
(懇親会)
①日時:2016年4月30日(土)
②場所:いつもの山小屋
③メンバー:S,Si,Mt,Fu,Ak,As,Sk
④概況:
参加者の年齢をみると,30代と70代という不思議な感じ。
各自が食べたいものを持ち寄った結果,ヤマメ,イワナ,ハタハタ,コシアブラのおにぎり,から揚げ,ポテトサラダ,焼き鳥,果物などが揃い,毎度のことだが豪華な懇親会となる。
話題の多くはSとSiのこれまでの登山体験であり,若者は正座をして熱心に聞き入り,有意義な時間を過ごした。

大山山頂にて
(大山春山パトロール)
①日時:2016年5月1日(日)
②行先:大山(夏山登山道)
③メンバー:Mt,Mi,Ad,As,Sk,Kn
④行動記録:
大山寺駐在所(8:45)→6合目避難小屋(8:00)→(11:00)山頂(11:50)→元谷(13:00)→大山寺駐在所(13:45)
⑤行動概況:
当初,大山寺駐在所に8時20分集合としていたが,時間に厳格なMtがまさかの遅刻という大失態を犯し,周りから白い目でみられるなか出発する。
大山寺周辺は登山者だけでなく観光客も多数訪れており賑わいをみせていた。
天候は良かったが,登山口で風が意外と強かった。
すれ違う登山者と挨拶を交わしながら夏山登山道を登っていく。8合目に到達すると,一層風が強くなるが,北側を振り返ると弓ヶ浜半島や日本海がはっきりとみえるなど爽快であった。
山頂に到着すると,100人ぐらいが休憩していた。集合写真を撮り,大休止後,下山する。
下りは行者谷コースを選択し,元谷経由での下山となった。

2016年5月3日火曜日

2016春 北アルプス(黒部五郎岳目指すも北ノ俣岳ピストン)

会員Ysから山行記録が届きました。

混雑極めるGWなんぞに北ア行って楽しいか?と言う人もいる。静かに違いないマイナーなルートを選び数人に提案したがあまりの地味さのためか?ついに1人の同行者も得られなかった。「どうしたものか」上部は広々としスキーなら縦横無尽に楽しめ,猛者は双六を掠め新穂高まで滑走とも聞くが私は全部徒歩。しかも有名な?下部の凄いぬかるみは露出し「前半ゴム長,避難小屋辺りでスキーに履き替えが理想」と太郎小屋の主に言われた。苦労が約束されている一方快楽があるかは不明。「♪なのに何故~何を求めて」さんざ地図を眺めてきたシミュレーションを実地で確かめたい一心。手間暇かけて作った料理を食べずに捨てるのが惜しいといったところ。
寺地山山腹から北ノ俣岳方面
①日時:2016.5.1(日)       
②行先:北アルプス(寺地山&北ノ俣岳)
③メンバー:Ys(単独)
④行動記録:
飛越トンネル登山口(5:00)→(9:00)北ノ俣避難小屋(9:15)→(11:30)北ノ俣岳頂上付近(12:00)→(16:00)飛越トンネル登山口
⑤行動概況:
【4/30】昨年は除雪できてないから登山口まで2時間は林道歩きを覚悟してと言われたが,トンネルまで無雪でラクラク到着。30台可能の駐車場はほぼ満車だが人影は無くテントも見当らない。晴れの予報に反し雨が止まないので全員車中泊か空車か。トンネルが開通すれば置かれるというトイレはやはり見当たらず,私は少し下った空き地に移動した。
北ノ俣避難小屋
【5/1】2時や3時は本降りで出る気になれず小やみの5時スタート。噂のぬかるみは『大休付近でもこれ位あるよね』と最初思ったがだんだん凄くなった。水芭蕉の芽を踏まないよう気を付けたのも最初だけ。寺地山辺りから雪が繋がり歩きやすくなったが展望ゼロで相変わらず降ったり止んだり。4時間で避難小屋の赤い尖り屋根が見えた。お伽話の小人の家みたいに可愛い。水場の水が景気よく噴き出している。中では山慣れた感じのカップルが寛いで「昨日入った。五郎狙いだけど今日はワルイから停滞です」と見えない稜線を見上げる。ん?そんなに悪い?「あと2時間で北ノ俣山頂。五郎は厳しいけど太郎なら行けるでしょう」と送り出された。
北ノ俣避難小屋内部
このあたりは広々とした先に北ノ俣の斜面が立ち上がり,大膳原からの吾妻山を巨大にした感じ・・・予想どおりだ。1人だけ赤い先行者が見える。一面にシュプールがあり天然のスキー場みたいな地形だがブッシュや木道も一部出ている。なぜかホコリ色の新雪5~10㎝の下に純白の層。或は30㎝の新雪。登るにつれガチガチに氷化上にうっすらしかついてない所が増えてきたが,ブッシュ寄りはキックが利く。
傾斜が急になったところで赤い先行者がスキーを片付けている。ガスっているので人は突然現れる。「このガスだし今日はもう降りますわ。例年快適なんだけどこんなにブッシュ出てちゃ」と首を振る。次には「五郎目指したけど稜線は視界ゼロ」との単独者,さらに「半端ない風で五郎撤退しました。暴風ですよ」と屈強ぽい5人パーティも降りてきた。
『今日は五郎どころじゃないな。早いけど太郎小屋に行って念願の行者ニンニクラーメン食べよう!明日穏やかなら五郎目指せる。時間はあるんだ』とじわじわ登って行った。
帰路,寺地山で一休み
名札に何故か「大山」と!
踏み跡が足形でなくアイゼンの爪跡のみになり右折してゆく。稜線らしい。風が体を揺する。標柱まではと意地になっていたが本能が「まずいぞ,逃げろ」と叫びだす。足元しか見えないが,頼みの踏み跡も掻き消されようとしている・・・おいおい!他人の踏み跡をあてにして歩いてるじたい十分危険ではないか!
こんなホワイトアウトのなか地図もコンパスも何になるだろう。現在地が分かり進行方向が明らかでも歩くのは自分の足だ。ピークは全方向下る。足の向きが少し違っても大きく違ってゆく。すぐそこの太郎平小屋との間には果てしない白い闇が立ち塞がっている気がした(大げさでしょうか)。もはやこれまで。慎重に180度反転し引き返し始めた。