桜は散り,季節はすでに晩春の趣。と,いうのはここ中国地方の話。そこに雪があり時間が許すならば県外でも,ということで世界有数の豪雪地帯 立山でのBC山行を企画した。ツラい登りの後に待っている至福の滑降,春山の誘惑に駆られた諦めの悪い3人,いざ行かん。
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雷鳥荘付近から望む雷鳥沢と別山 |
①日時:2016.4.23(土)
②行先:立山周辺
③メンバー:T,Sk,As
④行動記録:
雷鳥沢キャンプ場(10:15)→(12:10)剱御前小舎(13:00)→剱沢2600m付近(13:20)→剱御前小舎(13:50)→雷鳥沢キャンプ場(14:50)
⑤行動概況:
出発地の違いからTは1日早く現地入り済み,SkとAsは23日夜半に立山駅に到着。登山シーズンでないためか連休を外した甲斐があってか車は少なくすんなりと駐車でき一安心。
装備の確認を済ませた後,ケーブルカーの出発時間までしばし仮眠を取る。夜が明け辺りが騒々しくなってきた頃,Tからの室堂の天候は上々との情報,立山駅上空も青空が広がり弥が上にも期待が高まる。
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初めての雪上設営 |
ケーブルカーとバスを乗り継ぎ1時間余りの移動の後,予定通りの7時半に室堂到着するもシールやボードの取付に手間取り,ウォーミングアップがてら室堂まで来てくれたTを待たせてしまう,猛省。ターミナルから出ると眼前には雪を纏った圧倒的な峰々が広がり思わず息を呑む光景。暑いくらいの陽気の中,背中の衣食住に辟易しながら幕営地の雷鳥沢キャンプ場まで滑りを交えて下り,設営したテントに不要な荷物を放り込む。剱御前小舎のある別山乗越に向けた登りへの準備は整った。
残雪期にキャンプ場から別山乗越を目指す場合,雷鳥沢の右岸を登るのが一般的なようで取り付きにはルートを示す竿が立ててあり分かりやすい。この日は視界が良好で且つ無線を装備していたので行動中に継続して連絡を取り合うことを確認し目的に合わせ二手に分かれて行動することとした。
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雷鳥沢を直上するT |
Tは雷鳥沢を直上するルートを登り適当なところから滑降,SkとAsは昨年達成できなかった剱沢滑降という目標を叶えるべく右岸の登り易そうなところを小舎まで登り,剱沢上部を滑って登り返した後,雷鳥沢を滑降,というそれぞれプランを胸にハイクアップ開始。右岸は多少の緩急こそあるものの終始登りのためなかなか堪えるが,360°どこを見ても最高の景色とその後の滑降を想えば大したことではない。途中Tから休憩の適地を見つけたため,そこで大休止したのち,滑降を開始すると連絡が入る。平静を装いOKと返答し,逸る気持ちを抑えながらペースを守って登り続ける。ほどなく剱御前小舎に到着,稜線は風が強い。
冠雪の剱岳を眺めながら大休止後,最初の滑降としていよいよ剱沢にドロップ。程よい傾斜に程よい雪質,あっという間に一旦斜度の緩む2600m付近まで滑り降りる。時間の都合で最上部のみではあったが当山行の目的を一つ達成できたという満足感を得,メインの雷鳥沢滑降に向け滑ってきた斜面を登り返す。午後になると稜線付近はガスに包まれる時間も多くなってきたため,そそくさと小屋の前で再び滑降準備。
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滑降を終えて(キャンプ場にて) |
ベースで待つTに滑降開始を伝え,標高差約500mの雷鳥沢にドロップ。決して早くない時間帯ではあったが,標高が高いところでは板がよく走り,思い思いのラインを描き快適に滑る。途中,ガスが晴れるの待ったり,最適なコース取りを検討したりで一気に下までというわけにはいかず,「えらくゆっくり楽しむね」という待ちくたびれたTからの軽いジャブをかわしながらキャンプ場手前まできっちり滑りを堪能し,立山BC山行を終了した。全員無事,最高の春山でした。
⑥その他:
・やや強行軍ですが,立山は土日だけでも楽しめそうです(内容によりますが)。もちろん登山も出来るので一考されたし。
・春山BCはまだチャンスあり,引き続き企画します。
・メンバーに加わってくれたTには切に感謝。とても心強く,より思い出深い山行になりました。要所要所でお待たせし申し訳なかったです。それにしても立山とは相性がいいですね。