2015年12月31日木曜日

2015冬 矢筈ヶ山②

2013年大晦日,TとMtと行った矢筈ヶ山はしょっぱい山だった。あれから丸2年,早いようで遅いようで。たくさんの体験をさせていただき,YCCの先輩方と仲間に,心から感謝しなければならない。そして,時には厳しく,時には優しく我々を包み込んでくれた大山にも,この1年の感謝を伝えたい。そんな思いで今回の山行を計画したところ,6名のメンバーが参加してくれた。久しぶりにワイワイと楽しくスカッとする山ができ,大満足で2015年の山を締めくくることができた。
疑似好天の大山東壁
①日時:2015.12.31(月)
②行先:矢筈ヶ山
③メンバー:Y,Mt,I,Mr,Tn,Mk
④行動記録:
香取P(6:30)→大休峠避難小屋(8:00)→矢筈ヶ山山頂(9:00)→香取P(11:00)
⑤行動概況:
冬山装備にて烏天狗に6時集合。参加者に通達を回して6時に到着するもそこは雨。
カッパを用意していないことに少し焦るが,「香取より上は雪だ」と自信なさげに声を張る。
メンバーからの懐疑的な視線を浴びながら,車を駐車ポイントまで進める。
そこは下界とは違う雪の景色。とは言え積雪はくるぶしまで。今年の大山は本当に雪が少ない。滑れなくてもいいからと,意地になってスキーをザックに括り付け,矢筈ヶ山を目指す。
ピラミダルな小矢筈
消えた大山を背景に
結局,矢筈ヶ山でスキーはできず,大休峠から,笹と岩と雪のミックスをガリガリと滑った。登山道は雪に覆われているものの,その形は明瞭である。途中わずかな休憩を大休峠でとるが,矢筈ヶ山まで一気に登る。1300Pまでは,強い風と雪が吹き付けていたが,矢筈ヶ山に登りつめたときには,疑似好天で視界が開け,大山の東壁が姿を現した。それは10分くらいの出来事だった。まるで,我々のために,大山が見せてくれた優しさのようにも思えた。ここに立つ我々だけでなく,YCCの仲間たちは,しょっぱい山に負けず気迫で登り,本当に強くなったと思う。白く輝く大山をバックに,1人1人と固い握手を交わし,今年1年の感謝の気持ちを伝えあった。今年1年大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。

2015年12月23日水曜日

2015冬 矢筈ヶ山①

夏が終わりいつの間にかに秋も過ぎていた,雪を踏み矢筈ヶ山へ行ってきました。
標識の見当たらない山頂

①日時:2015.12.22(火)
②行先:矢筈ヶ山
③メンバー:N(単独)
④行動記録:
香取P(7:45)→大休峠避難小屋(9:05)→矢筈ヶ山山頂(10:00)→香取P(11:35)
⑤行動概況:
香取から自然の中を生き抜く者のトレースを眺めながら,また時おり落葉が散らかる捕食跡に怖さを感じながら自然歩道に突き当たる。自然歩道にはスノーシューのトレースがあり,なんだか安心する。景色も見えないまま大休峠を過ぎ,矢筈ヶ山への山頂へと辿りついた。
⑥その他:
どこかで,寒いことしか活発にならない,なんて言われたような。
藪に岩に沢に雪,知識と技術,全てを高めて行くことを目標に,大山にdaringでもdefiantでもなくチャレンジしていきたい。
雪を待ち,大山の12コースも待ち遠しい。
その前に,会へ届けも出さずの行動,反省致しております。

2015年12月20日日曜日

2015冬 YCC忘年会

元気のある若い新入会員2名(男1,女1)を交えて忘年会を代表Sの蕎麦屋さんでやりました。ひとりは25才の医学生,もうひとりは今年の秋,剱岳源治郎尾根に一緒に行った女性。ちなみに医学生は私の下の息子と高校の同級生でした。
また意欲のある会員が加わった。何とかその気持ちに答えたいと思います。世代交代の過渡期もそろそろ終了,先輩会員諸君頑張らないといけないよ。
YCC忘年会の面々
①日時:2015.12.19(土)
②場所:代表Sの蕎麦屋さん
③メンバー:写真の11名 + 4名の総勢15名
④2015年の印象に残るYCC山行を聞きました:
【新人1】大山(川床~ユートピア)
【新人2】剱岳源治郎尾根
【S,Si】用瀬アルプス(Siは全ての山だそうな)
【Kw,I】キノコ山行の数々(Iは道迷い,Kwは舞茸)
【As】剱岳源治郎尾根
【Sz】北アルプス(槍ヶ岳)
【St】大山(川床~三鈷峰周回)
【Mt】大山(キリン峠上部鉄柱)甲川
【Oe】北アルプス(槍ヶ岳),烏ヶ山(本峰横ルンゼ)
【Mr】大山(山川谷~飯盛山)
【Y】南アルプス(甲斐駒岳:黒戸尾根~八丁尾根周回)
【T】大山(三鈷東谷~親指ピーク),島根の山々(猿政山,玉峰山,安蔵寺山etc)
⑤管理人のひとり言:
気持ちの振幅が大きい日々を過ごしているが,忘年会に出席して何とか穏やかに年を越せそうだ。年齢も立場も違う意欲のある会員たちと話をしていると元気をもらえ憂いを忘れる(YCCの先々の憂いはあるが・・・)。
冬山がスタートする。一緒に歩きたいが,残念ながら歩く体力も無くなった。せめて今まで私がリコメンド,プロデュースしてきた大山冬山12コースとその留意点を作成し,担当者を決めメンバーに配布した。この意味わかるよね。満足すること間違いないコースばかり,是非全て責任を持って完遂してほしい。

2015年12月15日火曜日

2015冬 用瀬アルプス(三角山~洗足山)

縦走スタート(景山城登山口)
代表Sから山行記録が届きました。

①日時:2015.12.10(木)
②行先:用瀬アルプス(三角山~洗足山)
③メンバー:Si,S
④行動記録:
景山城登山口(石碑)(9:12)→景山城跡(9:51)→女人堂ルート合流点(10:17)→三角山下(10:52)→三角山山頂(11:00)→岩稜の小ピーク(11:33)→おおなる山(13:02)→鬼ヶ乢(13:27)→展望台(14:19)→三角点(14:41)→頂上(14:47)→鳥居野登山口(16:45)
景山城跡
⑤行動概要:
用瀬アルプスに行くこととし,Siを誘い鳥取市から鳥取自動車道にて用瀬町の鳥取市用瀬総合庁舎に向かった。
ここで登山届をポストに投函し,アルプス全山縦走を目指し景山城跡(影山ともいう)に歩き出す。登山道は記念碑の北側にあり,つい最近整備された様子がうかがえるコースである。
三角山山頂
途中,三の丸,二の丸,一の丸,堀跡を通過し,東屋のある頂上に到着した。ルートの途中用瀬町内の大展望が望める。ここから三角山に向かう。竜王山を経て女人堂からの合流点を通過し,ここから急峻な斜面を頂上に向かった。急勾配,岩場が各所にあり,ロープがあり,ピンクリボンが要所要所に貼ったある。三角山の直下で登山道は山腹を東側に巻くようについている。三角山頂へはこの地点より10分程で,山頂は巨岩で覆われ,その岩の上に神社社が鎮座している。
三角山大岩壁

おおなる山へはもと来た道をバックし巻道を行く。三角山の東・南・西側は大岸壁で覆われ登れるよしもない。縦走を開始し小ピークを越す。岩稜では梯子がつけてある。おおなる山に向かってピークをいくつも越えて行く。岩稜,虎ロープと結構初心者にはやばそうな尾根である。なだらかな尾根になると小さなピーク(丘か)を越え,おおなる山648mに着いた。頂上からは鬼ヶ乢まで300mの下降である。この鬼ヶ乢から鬼の岩屋と岩稜地帯,そして洗足山頂上への樹林帯のルートを行く。ルートは落葉で判らない。要所要旨のあるピンクリボンにより導かれ洗足山(三角点)の頂上に着いた。
洗足山手前の岩場
ここまでのルートは用瀬町内を展望しながら登高でき要所要所に展望台があり急勾配の登下降しているときの安らぎでもある。洗足山頂上から更に南進すると又洗足山山頂の標識がある。ここは三角点頂上より7m高い。そして10分ほどで鳥居野に下降する分岐点に着いた。ここから更に南進して鳥居野に降りるルートもあるが,ここから下山を開始した。ここからは急峻な尾根を降りて行く。途中岩稜が至る所にあるがメインルートのため安全なルートが確保されていた。急峻で狭い尾根を通過し樹林帯に入るとルートはジグザグコースである。ルート上は落葉に覆われ判別しにくい。
洗足山(三角点)
道の下側に土留めの丸太があるから判断できるが初心者には厳しいと思われた。そしてなだらかになり小さな谷を越え,送電線の下をくぐりリボンに導かれ登山口に着いた。
このルートは急峻なアップダウン,岩稜,頂上と思うと手前のピークでありで体力,技術力とも要求されると思われる。又洗足山は下山口のゲート(鹿,イノシシよけ)に「千足山」とも表記されており,地元に人に尋ねると鬼の千人切りからのいわれであると聞いた。
下山口からはタクシーで総合庁舎へ帰り,下山届を提出し縦走を終えた。役所で登山担当と話し合いをしてこのルートの問題点を指摘し改善しもらうように依頼して米子に向かった。

2015年12月3日木曜日

2015冬 大山(一ノ沢~弥山)

前の週にStと阿弥陀川から三鈷峰を周回した。その時には雪のかけらもなかったが,大山の山頂は白い雪景色だった。この季節,植物は雪を纏い,ある一定の法則をもってシュカブラを作る。やがて大きな樹は巨大なスノーモンスターに成長する。晴れた日はプルシャンブルーの空に一ノ沢の岩稜が映える。一ノ沢の景色は,登山者としてのスピリットを揺さぶる感動をもたらしてくれる。しかし,危険であること,そして保護されるべき植物が多く生息し,踏み跡によって荒らされないよう,入山規制がかかっている。確かな知識と技術をもって大山と対峙すれば,その楽しさは無限に広がるだろう。この際,思い切ってYCCの門を叩いてみてはいかがだろうか?
雪化粧した剣ヶ峰
①日時:2015.11.30(月)
②行先:大山(一ノ沢~弥山)
③メンバー:Oe,Mk
④行動記録:
桝水高原P(6:30)→一ノ沢林道(07:20)→大山山頂(09:30)→(正面登山道経由)→桝水高原P(11:30)
⑤行動概況:
Oeの車を博労座にデポする。山頂がガスのため,正面の下降口をロストしそうな時は,夏道を使う。桝水高原スキー場に雪はなく,車に積んだスキー板がむなしい。横手道まで冬靴の感触を確かめながら上がる。ピタッと後ろを歩くOeを気にして,少し早いペースで林道に到着。いつもはこのあたりでジャケットを脱
一ノ沢の尾根に出る
ぐのだが,放射冷却のためか,肌寒さを感じる。一ノ沢の斜面に出たとき,間隙をぬって雪景色が現れる。何度見ても同じ景色はない。新たな感動が込み上げてくる。雪の付いた斜面を登り尾根に出る。時折ひざ上くらいのラッセルになる。相変わらず,ラッセルは嫌いではないが苦手だ。視界は15メートルあるだろうか,タケノコ岩もまったく見えない。目の前にある雪と,2人の息遣いだけの景色が長く続く。音は周りの雪に吸収されるようで,響かず,小刻みに繰り返される。スカッと抜けるような景色も好きだが,この閉塞された,生命限界の世界に溶け込んだ白い景色のほうが,私は好きかもしれない。山頂に近づいたと
正面を降りる
き,トップをOeに譲る。積雪期初登頂のOeに配慮したつもりだったが,そこから急に積雪が増し,結果的にラッセルの先導をさせてしまった。風でガスが流れ,目の前に山頂避難小屋が突然現れた。Oeは立ち尽くし,その景色を眺めていた。山頂碑で記念撮影し,晴れないガスにあきらめを感じ,下山を始めたところで,突然世界が変わった。前の晩,シベリウスの交響曲2番をテレビで見た。第3楽章のスケルツォから第4楽章へのフィナーレへと変化する。その壮大なメロディーがこの景色にぴったりだった。Yaなら,このことをきっと理解してくれるだろう。最近ご一緒していないメンバーがたくさんある。今度の忘年会の次の日は,久しぶりにワイワイできればいいなと思いながら,明瞭になった正面の下降口から桝水高原に下山した。