今回の山行のテーマは自分なりに決めていた。Fuには山スキーの魅力,機動力を感じてほしく,Mtには弥山尾根の取り付きと雰囲気を知ってほしかった。Mt曰く「これで北壁は任せなさい」とのことだ。
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取り付き目指し上ります |
現在うちの会員で一番やる気のあるのはFuだ。私が何十年もかけて歩いた大山周辺を数年で歩いてしまう勢いだ。あと残っているのは,甲川の沢登りと北壁の登攀らしい。これってどういうこと?大山周辺を一番知っているなんて自負しているYCCってたいしたことないな!やる気のあるメンバーには,できるだけ付き合ってあげて経験を伝えたい。結局,今年は会員の中でFuと行くことが1番多かった。
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別山は任せろのポーズ |
今回のコース,最初はユートピア,天狗ヶ峰,剣ヶ峰方面での冬山トレーニングも考えたが,山スキー特訓中のFuの希望で,大山元谷に決めた。
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あ~しんど |
もちろん私も雪をまとった北壁を間近に見たかった。いつ見ても北壁は荘厳で美しかった。引き込まれるように弥山尾根1ピッチ登ってみる。メンバーのためと言いながらも,実は私の北壁のモチベーションをあげるための山になった。来年早々北壁に行ってみるか。
今年も生き急ぐように山に向かった。どこに行きたいの?体が喜ぶから歩く?メンバーが喜んでくれるから歩く?行きたい所を熟成させるため歩く?ようわからん,そんなところだ。
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猛烈ラッセルで1ピッチ登ります |
①日時:2014.12.27(土)
②行先:大山(元谷)
③メンバー:Fu,Mt,T
④行動記録:
大山モンベル(7:10)→元谷(8:30)→(10:40)弥山尾根西稜取り付き(12:10)→大山モンベル(13:30)
⑤行動概況:
メンバー各自,ピッケル,アイゼン,3種の神器の装備を持ち(仰々しく),大山モンベル横を歩き出す。山スキー2(T,Fu),ワカン1(Mt)のパーティだ。
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今回の山の最高到達地点 |
山スキー組は大神山神社まで,山スキーを担ぎスキーブーツで歩き,大神山神社からはシールを付け,山スキーで元谷に向かう。この一連の行動はFuにとって初めてのことで,きつかったに違いない。
元谷にはそこそこの積雪あり,直上,滑降できそうだ。前回の山(
7合尾根)はラッセルに苦しんだが,今回は山スキーなので深雪ウェルカムだ。
元谷からFuに山スキーの操作を教えながら,ストレートにジグザクに,北壁目指し上がって行く。Mtはワカンで先行するが,いつものように追い抜く。最近はMtを追い抜くことに快感を感じる。
北壁を眼前に望みながら進む。なんて気持ちがいいんだろう。弥山尾根取り付き直下(正確には直下の木)でアイゼン,ピッケルに装備を変え,弥山尾根側面から1ピッチ登ってみる。最初は胸まで埋まるラッセルだが,素晴らしき景観なのか,何故か苦にならない。尾根に出ると,正面に別山が大きく現れ,気持ちも高ぶってくる。雪はしっかり着いており,これなら弥山尾根行けそうだった。どうしようか?一瞬頭をよぎる。私が行こうと言ったら行ったかもしれないが,欲求を我慢することが大切である。これで,メンバーにとって北壁のモチベーションアップになったのは間違いないだろう。
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短時間に上達したFu(まだまだだけど) |
帰りはシールを外し,かっこよく?スキー滑降だ。FUは山スキー始めて今シーズン3回目で北壁直下から元谷まで,滑り降りた(途中頭から突っ込んだことあったが)。ゲレンデ以上の滑りを見せた。嬉しかった。たいしたもんだ。少しだけ教えた甲斐があった。
元谷からは林道,中ノ原スキー場経由で帰着した。
短い時間だったけど,密度の濃い内容と楽しさを共有でき,毎度の事ながら,メンバーに感謝する山になった。