2014年6月27日金曜日

2014夏 中蒜山(小三郎谷)

山の木々は繁り,葉の緑も深い。空は霞みながらも日射しは暑く,体から水分を奪う。もう夏である。YCCメンバーお待ちかねの沢登りの季節がやってきた。代表S,Nに,いたるところで助けていただきながら,険しい渓に分け入り,太古の景色を遡上してきた。
小三郎谷を遡上する

①日時:2014.6.26(木)
②行先:中蒜山(小三郎谷)
③メンバー:S,N,Mk
④行動記録:
放牧地(7:45)→井川下降地点(8:15)→小三郎谷分岐(9:00)→F1(9:05)→F2(11:00)→縦走路(11:30)→中蒜山(12:00)→塩釜登山口(13:00)→放牧地(14:00)
⑤行動概況:
牧草地を出発し樹林帯に分け入る。黒土の地面はフェルト靴だと滑りやすい。沢靴の感覚を思い出しながら歩き出す。ほどなく代表Sが「ここを下りる」と指差すが,そこは50m切れ落ちた谷の底。いろんな下降法を考えていると,ちょうど良い斜面を見つけた。ブッシュを掴みながら慎重に下降する。降り立ったところは深く削りこまれた迫力あるゴルジュであった。
倒木を掛けて突破する
井川の本流に水は無く,季節遅れの新緑と,苔むす岩が連なっている。分岐を小三郎谷に入ると,所々に清らかなトロ場がでてくる。最初の滝まで,アカハライモリが優雅にたくさん泳いでいた。小三郎谷は,終点まで連続する滝が現れ,飽きさせない楽しさがある。そのうち2ヶ所でザイルを出した。最初の滝は分岐から5分くらいの所で現れる。高さ5mの滝は,全体に苔むし,ホールドが見当たらない。浅い滝壺に頭から突っ込むように落ちていた倒木を持ち上げ,滝に立て掛けた。不安定な枝の上に絶妙なバランスを保ちながらNが攀じ上がった。代表Sも続いてあっさり上がるが,私は歯が立たない。Nに確保してもらいながら上がることが出来た。そこから先は快適な滑滝の連瀑を次々と突破して行く。滝が現れるたびにニヤっとした顔になる。山に憑かれる者に現れる特有の症状が3人共に見てとれた。
縦走路に抜け上蒜山を望む
間もなくこの谷も終わりかな?と頭によぎったころ,10mあろうかという滝が現れた。代表Sが左のブッシュを掴みながら攀じ登り,滝の上からスリングを繋ぎおろしてくれた。最後の滝を上がると,そこからチマキ笹の藪漕ぎが始まる。この藪漕ぎは縦走路に抜けるまで続くが,地に足が着き距離は短い。斜度はきついが笹をかき分けるごとに空が近くなる。やがて斜度が緩やかになり,上蒜山へ続く縦走路が見えてくる。縦走路に抜けた時には,壮大な景色と爽やかな風が3人を癒やしてくれた。中蒜山の山頂に立ち,壮大な景色の中,全会員の健康を祈った。YCCに入るまで,こんな山を経験できるとは思っていなかった。諸先輩方に教えていただき,育てていただき,心から感謝している。中蒜山から塩釜冷泉まで下り,そこから牧草地まで地味に歩き,無事に帰路に着いた。

2 件のコメント:

  1. 沢を上がり,縦走路に出る。沢登りの楽しさというか,原点だね。
    沢が消え,のんびりとお花畑の中(今回は笹の中)を歩き,縦走路に出る。その時感じる刹那の風はなんと心地よいのだろう。この山行が伝わって来ましたよ。
    季節は巡り,沢登りの夏がやってきた。甲川?ひとひねりした沢登り,期待しています。

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  2. 8月11,12日で甲川完全遡上を計画中です。楽しみにして下さいませ。里山10連発にも、ぜひ、同行させていただきたいです。イワナのかば焼き、ヤマメのお刺身。運が良ければ御馳走させていただきます!

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