2014年1月29日水曜日

2014冬 大山北壁(弥山尾根西稜)

山に登り始めたころ,冬の大山に登る人がいることを聞き,驚いた。大山の冬山に登り始めたころ,北壁の断崖絶壁を登る人がいると聞き,これまた驚いた。ノーマルではない大山を一番よく知るYCCの門をたたき,たくさんの事を教えていただいた。そして念願の大山北壁弥山尾根西稜を最高の仲間と最高の天気に恵まれながら登攀することができた。
元谷を行く

①日時:2014.1.29(水)
②行先:大山北壁(弥山尾根西稜)
③メンバー:T,N,Mk
④行動記録: 
大山寺P(7:20)→元谷(8:10)→弥山尾根西陵取り付き(9:00)→縦走路(13:20)→6合目避難小屋(14:45)→大山寺P(15:20)
⑤行動概況:
YCCの備品よりビーコンを各自に配られ着用する。
スタカットで進んで行く
スノーバーもザックのサイドにくくりつけ,ハーネスを着用し準備OK!取り付きまで相当なラッセルが予想されたが,全く快適な雪道はつぼ足でも沈まない・・・私以外。元谷は氷が張った湖の上を歩いてるように幻想的な景色だった。二人は快適に歩いて行くが私は薄い氷をバリバリ踏み抜き,しまいには四足歩行で取り付きまで歩いて行った。
縦走路までもう少し
左から回り込み1ピッチ稼いでザイルを出す。トップはN,サードはMk,そしてセカンドのTはアッセンダ―を使って自由に動きながら我々の支点作りやビレイの取り方を熱心に指導して下さった。6ピッチほどスタカットで登り,その後3人ともコンテで稜線直下の雪壁を登って行く。アイゼンが踏み刺さる鈍い音,ピックが突き刺さる軽い音,雪壁の表面をサラサラと流れる小さな氷の音。
縦走路(次は烏ケ山南西尾根だ!)
普段は私の奥底で寝ている野生の五感をフル活用して,偉大な大山を感じ取る。全ての悩みや不安,吹き飛ぶような感動が心に湧き,山頂に近付くにつれ全身に満ちてくる。念願であった快心の北壁登攀を無事に終え,縦走路に抜けT,Nと固い握手で讃えあうと,感動が破裂して涙が出た。
「次は烏だね」Nがザイルを解きながら言ってくれた。Tは「スキーツアーに行こう!」と言って下さった。ザイルは解かれても,心はエイトノットよりも固く結ばれていると感じた素晴らしい山行となった。 

2 件のコメント:

  1. 最高の天気に最高の仲間と最高の登山ができました。ありがとうございました。 反省するところはありましたが、とにかく最高でした。
    元谷まで続く斜面で、滑落してみろのT の言葉にはちょっとビビリましたが、Mkのビレイ時のテンションの確認だったとは・・・ これも訓練。
    もっと訓練を積んで、安全登山を実践して行きたいと思います。

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  2. 心はエイトノットより・・・さすが言葉の魔術師?ナイスなブログアップありがとうございます。稜線に出た時,雄叫びはあげていたのは覚えているけが,涙流していたっけ?
    登攀中,雪が「さらさら」と滑り落ちていました。私は中原中也の詩「一つのメルヘン」を思い出しました。静寂の中,「さらさら」と音をたて流れる雪,非日常の世界を感じ,下界のもやもや,少しだけ忘れました。わくわくする時間ありがとうございました。二人には感謝します。

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