太郎平小屋で生ビール |
♪夏が過ぎ風あざみ 誰のあこがれにさまよう…
1学期最後の授業でこの曲をかけている時,私の心は黒部の稜線に飛んでいた。今回またも独り。梅雨明けの週末さすがの黒部も人が多かろうと想像したけれど,見渡す限り誰もいない時が多かった。黙りこくって歩き続ける身体をこの歌がくり返し満たすのだった。
①日時:2016.7.22(金)~24(日)
②行先:薬師峠~北ノ俣岳~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~祖父岳~雲ノ平
③メンバー:Ys(単独)
④行動記録:
【1日目】折立登山口(14:22)→太郎平小屋(18:22)→薬師峠キャンプ場(19:20)
【2日目】薬師峠(4:22)→(5:45)北ノ俣岳(6:15)→(9:30)黒部五郎岳(10:15)→(14:45)三俣山荘
黒部五郎岳への道 |
⑤行動概況:
【1日目】9時間の車移動でそこそこ疲れた身体にテント泊装備が重い。汗びっしょりで太郎平小屋の戸を開けると同時に「生ビール下さい!」と叫んだが,ダルビッシュ(小屋主)は平然とスルー。「泊まるんですか?あテント。ではこれに記入して。他に歩いてる人いましたか?」「下から来たんです。だーれもいません。そこのスリッパ借りていいですか?」「これは小屋用です(拒否)」。やっと差し出されたジョッキを手に小屋前のテーブルへ,暮れなずむ山並みにひとり乾杯。…♪青空に残された私の心は夏模様…
黒部五郎岳にて |
5月1日にホワイトアウトで撤退した北ノ俣岳に到着。地形から検証するに引き返したのはどう見ても頂上看板のすぐ脇ではないか。『見えなかったんだよぅ…』無念な経験なのに楽しさが胸を満たすのは何故だろう。さらに進み,昨年赤木沢から詰め上がったのはこのあたり,濡れた靴を地下足袋に履き替えぽくぽく歩いたっけ…。黒部五郎を登るにつれガスが勢いよく上がってきた。もうすぐそこが頂上だと確信した時,胸の中のピアノはいっそう高らかに響き渡ったのです…。
祖父岳への道 |
祖父岳から雲ノ平,右奥に薬師岳 |
岩苔乗越に着くときガサッと物音。分岐なので登山者かも?やや控えめの音でピピピとやりつつ上がると赤い上着の青年が現れた。「お早うございます。三俣で熊が出たのでびびって歩いてるのです」「僕は熊じゃありませんよ」と微笑む。とても色が黒いので本当は熊かもしれない。青年が去ったあとお茶を沸かし小屋弁当を食べながら考えた。諦めきれないけれど高天原へ行けば有峰林道の閉鎖時刻を過ぎるだろうし,明日は雨だ。ここは軟弱に雲ノ平経由決定(軟弱とはいえざっと見積もってあと10時間は歩く)。
太郎平小屋ラーメン |
乾いた木道は滑る事なくハッカ油効果で虫にも刺されず快適に薬師沢に到着,冷たい水を補給して暑さに喘ぎつつ最後の登り。今日こそは念願の太郎小屋ラーメンを食べるのだ。
太郎平小屋の生ビールに始まり,太郎平小屋のラーメンで終了する。Ysらしい山行だ。
返信削除北アのダルビッシュ相変わらず良いキャラクター出してるね。
折立から太郎平小屋まで4時間か,3時間で歩ければ,北アルプス駆け巡ることができる。今は昔。
「Ysらしい」って何ですか自分では分かりませんけど。
返信削除折立から2時間で上がってたT、休憩はしなかったのですか?今回5個のトマトやトンカツの半分をここで食べました。全部ドライでは長丁場がもたない気がする一方重たい、悩むところです。
昔の話をするようになったらもう終わりかな。もう数年は今まで通りとはいわなくても,ゆっくりなら歩けると思ってたけど,そうもいかなくなった。体力の切れ目が縁の切れ目か。
返信削除2011冬からスタートしたHP,ブログ,そろそろ閉鎖なり,リニューアルを考えるのもよいだろう,このブログそれなりの使命ははたした。
とりあえず2016秋までは面倒をみます。それまでにメンバー決めて方向性を示して下さい。無いも出で来なければ閉鎖します。
私だったら高天原に泊まり翌日は大東新道から黒部川に入り,薬師沢をイワナと戯れながら薬師峠に上がるね。そんな話もしてあげたのに。そうしたくなかったか?できなかったのか?
返信削除山には登山力が必要だ。
高天原の予定でしたが夕食時間過ぎての到着(前回と同じ)になりそうで失礼だったし、三日目の夕刻以降は雨予報だったので大東新道は通れない(前回と同じ)ので諦めました。雨で増水した黒部川に単独で入る「登山力」は私にはありません。
返信削除薬師沢を一緒に釣り上がりましょうとTをお誘いしたのに、そうしたくなかったのかできなかったのか。