2012年3月29日木曜日

2012春 大山冬山大団円(逆縦走)

先週の剣ヶ峰撤退のリベンジの思いを込めて,会の代表であり,私の師匠であるSと2人で大山逆縦走に行って来た。最後の最後になって初めて晴天に恵まれ,いろいろな意味を込めて今シーズン最高の山行を大山で終了することができ,Sに感謝しています。

①日時:2012.3.29(木)
②メンバー:S,T
③行先:大山(上宝珠沢~宝珠尾根~縦走路~剣ヶ峰~頂上)
④行動記録:
大山寺(6:57)→宝珠尾根(9:08)→縦走路(9:48)→剣ヶ峰(10:52)→頂上(12:18)
⑤一口メモ:
 上宝珠越から直上するS(縦走路直下)
今回のコースは縦走路まで前回と同じ,天気がいいので気分が良い。私が先頭を歩くが,後ろにぴたっとついて来る。たいした体力だ。久々プレッシャーを感じながら歩く。昨日の酒を言い訳にする。
上宝珠越で,宝珠尾根を上がって来た単独行に会うが,彼はユートピアの方面,我々は直上した。縦走路までの斜面はクラストしており,アイゼンがよく利く。
          天狗ヶ峰から剣ヶ峰を望む  
写真中央,見にくいが男性がひとり,先行している。上宝珠越で会った若者だ。天狗ヶ峰手前で追い抜かれた。ひとりで行くなんてたいしたもんだ。器用に手とピッケルでバランスを取りながら進んでいる。ただコース取りがやや雪屁側にあるのが気にかかった。
S曰く「度胸があるなあ」,若者の体力と度胸に乾杯。
おそらく今日縦走したのは我々含め3名だろう。

 剣ヶ峰に立つS
剣ヶ峰までは雪屁の心配も多少あったが,快適に進む。日差しは強く,風はそよ風程度で,暑いくらいだ。オーバーズボン,ジャケット無しで頂上まで歩いた。今年の冬山もオーバーズボン無しで通した。たいしたもんだ? ここで登攀具を装着。



   私を確保するS(ラクダの背を越えたあたり) 
阿吽の呼吸で3ピッチほどロープを使用した。最初のピッチでスノーバーを中間支点として初めて縦走路で使用した。2本持参していたが取り出すとき,危うく1本を落としかけた。おまけにその時,足が攣り,正直びびった。スタンディングアックスだろうとスノーバーだろうと雪がなければ使えない。今の縦走路はぎりぎり使用できる雪の量だろう。最後のチャンスでした。

← 大山頂上で1枚
Sと2人だけの山は本当に久しぶりで平成9年夏槍ヶ岳北鎌以来,積雪期の大山逆縦走にいたっては昭和50年大晦日以来だ。昔は誰も若く体力があった。槍から中房温泉まで表銀座を走ったこと,ユートピアにテントを張って翌日猛吹雪の中,逆縦走したこと,走馬灯のように思い出す。ひとつひとつの山行が昔の思い出と重なると同時に,もう行けないかもしれない山になっていく。現在2人の年齢足して120才,昔で言ったらおじいさんペアであり,情けないけど会の最強ペアだ。若い人負けてはいけませんぞ。

2012年3月20日火曜日

2012春 大山(剣ヶ峰:撤退)

今年の大山冬山最大の特徴は,週末決まって天気が優れなかったことだ。頂上で撮った写真は全てガスか吹雪の中だった。大山は春山になってしまったが,今日は天気が良さそうなので,HPのトップページの写真撮りと今シーズン行かなかった剣ヶ峰,ユートピア方面に出かけた。縦走路まで行ったのだが,強風,寒さ,ガス(言い訳です)で剣ヶ峰行きは断念し,ユートピア,剣谷経由で下山した。それでも雪が締まり,アイゼンがよくきき,速攻というか機動力のある山ができた。これで私の今シーズンの冬山は終了した。最後の最後まで天候には泣かされた大山冬山だった。

①日時:2012.3.20(火),単独
②行先:大山(上宝珠沢~宝珠尾根~縦走路~ユートピア~剣谷~下宝珠越)
③行動メモ:
大山寺(6:29)→元谷(7:18)→宝珠尾根(8:44)→縦走路(9:37)→(10:16)ユートピア避難小屋(10:44)→下宝珠越(11:39)→大山寺(12:06)
④一口メモ:
 宝珠尾根に出る
上宝珠沢を上がり適当なルンゼ(いつもウド採りする所)から宝珠尾根に出る。尾根に出ると風が強くなり,縦走路はガスの中。基本的に宝珠尾根を直上し,縦走路に出た。雪が締まり,アイゼンを利かせ,がんがん行く。縦走路に出て,200m程剣ヶ峰に向かうが,強風と視界不良で引き返し,ユートピアに向かう。貴方なら行きますか?
       ユートピア避難小屋でほっとする私 
 小屋の周りには雪がなく地面が出ている。1番目のドアは開いており,閉めようにも凍って動かない。2番目のドアは閉まっていて,このドアも凍っておりなかなか開かない。何とかこじ開け,中に。土間には1cm厚の氷が張っていた。
いつも自分が作って山に持って行く,特製おにぎりと暖かいハープティでくつろぐ。
  ユートピア避難小屋から一気に剣谷に下りる
下り始めて,一瞬,日が射し後ろを振り返り1枚。「後ろ髪を引かれる思い」とはこんな状況なんだろうか。
シリセードには最高の雪質(硬雪に新雪が15cm程積もっている)で,雨具かオーバーパンツをはいて シリセードしようかなと思ったが,もったいないのでやめた。のんびり下り,下宝珠越に上り返し,大山寺に帰着した。

2012年3月18日日曜日

2012春 大山冬山パトロール(夏山登山道)

今回は当クラブでの2連ちゃんのパトロールでした。 で,行ける人が1回づつ行こう(^o^)/と,メンバーを組んでいたが,新人M(なぜか当クラブはMが多い…)が参加できなくなり私Yに行くよう,代表Sからのメールが…(-_-;)ま,暇だから良いけど…(^_^;)と言うことで行ってきた。
2合目付近で暑くなり上着を脱いだ(3/17) 
①日時:2012.3.17(土),18(日)
②行先:大山(夏山登山道)
③メンバー:
17(土)T,S,Y,K,警官2名
18(日) M,M,Y,警官2名
④行動メモ:
17(土) 駐在所(8:50)→(11:30)山頂(12:10)→(13:50)駐在所
18(日) 駐在所(8:42)→(11:15)山頂(11:50)→(12:55)駐在所

6合避難小屋の状況(3/18)
 ⑤一口メモ:
(17日)大山寺駐在所のあたりでも強風が吹き,旅館や売店の屋根からの雪解け水が雨のように降っているような感じで,かなり風がきつかった。これは,後の5合目付近からの強風を教えてくれたのだろうか?
5合目から上部は時折突風が吹き,6合手前で危うく滑落しそうな勢いだった(-_-;)
頂上小屋の通常入口が雪で埋まっていたため,除雪して入るようにした。カメラの電池切れで写真が無いのが残念だ。ただ、二階入口は現在出入りできない。


頂上の石碑を掘り出す二人組(3/18)

(18日)昨日の事を知っている私は今日は風が無いなぁ…(._.)と,思っていた。やはり,頂上付近でも風はそんなに強くない。
昨日の強風でも,やはり春の風。風に吹かれても心地良い(^o^)

山の天気は毎日,毎時変わるんだなぁ。と,感じる山行でした。

2012年3月10日土曜日

2012春 常行谷~頂上~北尾根:雪上訓練

雪上訓練を兼ねた山行を行った。メインゲストの新人Mは雪の大山2回目,前回の反省から装備はバッチシ揃えてきた。5万円の冬靴を菊信で購入し,ピッケル,アイゼンは代表Sからの借用だがその他の装備も含め,10万円弱の出費になっただろう。適当な雪上訓練だけでは申し訳ない。登攀用具も用意していたので頂上までの歩きながらの指導で縦走でもなんて,考えたりもした(それは無謀だね)。
常行谷を詰め5合目に出る
①日時:2012.3.10(土)
②行先:大山(常行谷~頂上~北尾根)
③メンバー:T,Mj,Y ,M
④行動メモ:
米工山小屋(8:23)→5合目(10:29)→(11:41)頂上(12:08)→米工山小屋(14:05)
⑤山頂付近の気象(天候,気温,風,視界,積雪):
ガス,-4℃,北5m/s,20~30m,2m

頂上標識が少し顔を出している


⑥一口メモ:
前泊した小屋から常行谷を直上し5合目に詰める。6合目避難小屋付近では風雪が強くなり,縦走もできそうもない。上に行くモチベーションはなくなるが,行こうということで,気持ちを転換,ギアアップし頂上へ。帰りは5合目上部から北尾根を下った。

2012年3月4日日曜日

2012春 大山北壁(弥山尾根西稜:バリエーション)

新人Yと弥山尾根に行ってきた。先週の8合尾根に続きバリエーションは2回目のYに付き合ってもらって感謝している。最初は会員Mj(彼とは昨年3/12にフリーで抜けている)と行く予定であったが,仕事が入り,パートナーがYとなった。自信がないと言う彼に,俺を確保してくれたらそれでいいという条件でお願いした。今回の弥山尾根は,階段上のトレースがしっかりあり,また雪も一部しかクラストしてなく,フリーで十分行けたが,訓練のために5ピッチほどロープを使用した。前の2パーティのロープワークが遅く,1ピッチ上がっては停滞の連続で,取り付きから稜線に抜けるまで5時間以上要した。
北壁に向かう(正面は別山,左は弥山尾根)
①日時:2012.3.3(土)
②行先:大山(弥山尾根~頂上)
③メンバー:T,Y
④行動メモ:
大山寺(8:01)→元谷(9:02)→弥山尾根取り付き(9:53)→縦走路(15:19)→頂上(15:34)→大山寺(17:00)
⑤山頂付近の気象(天候,気温,風,視界,積雪):
ガス,-1℃,北5m/s,20~30m,2~3m

⑥一口メモ:
先行パーティ(ここから登攀が始まる,正面は別山)
弥山尾根は末端の尾根から取り付くパーティが多いが,尾根の左に回り込み20m程の雪壁を上がり尾根に取り付いたほうが楽で,1ピッチ稼げる。尾根に出た時点で,1パーティいた。追い越そうと思ったが,初心者Yもおり,後ろを行くことにした。最後までこのパーティの後塵を拝した。停滞時間たっぷり?で,ロープワーク,支点の取り方の勉強ができてよかったことにしよう。渋滞がなかったら,適宜ロープを使用しても,健脚パーティなら稜線まで2時間で行けるだろう。
所作が様になってきたY

・北壁の取り付きはシュルンドに注意。
・8合沢に大きなデブリの跡があった。
・同時期,昨年に比べ弥山尾根は雪が少ない。ブッシュが支点で使えた。弥山尾根ももうすぐ終了。
・30分スタートが早ければ楽勝だった。
・縦走路に出て,少し剣ヶ峰方面に行ってしまった。

⑦その他あれこれ:
・季節は流れ,冬山が終了し,春山がスタートした。昨年の3月から始めたブログアップのために春夏秋冬,大山中心にほぼ毎週出かけた。目標が終了し,今は山に行く気力が萎えている。
・おばさんSiに旅行付登山に連れて行ってと頼まれている。日本地図を眺めてみるが,なかなか時間的に地理的にいい場所が思いつかない。大山と言ったら怒るだろうな。久住,八ヶ岳方面かな。おばさんたちにサービス(計画から実行,食事の用意まで,ガイド料無?)しました。そろそろ私も大名登山したいね。
・ 最新の登攀技術,装備があるだろうが,一昔前のスタイルで,ピッケルは70cm,シングルアックス,今年も冬山はオーバーパンツ無しで,通した。体は寒さに強いが,手足は弱い。