2016年5月3日火曜日

2016春 北アルプス(黒部五郎岳目指すも北ノ俣岳ピストン)

会員Ysから山行記録が届きました。

混雑極めるGWなんぞに北ア行って楽しいか?と言う人もいる。静かに違いないマイナーなルートを選び数人に提案したがあまりの地味さのためか?ついに1人の同行者も得られなかった。「どうしたものか」上部は広々としスキーなら縦横無尽に楽しめ,猛者は双六を掠め新穂高まで滑走とも聞くが私は全部徒歩。しかも有名な?下部の凄いぬかるみは露出し「前半ゴム長,避難小屋辺りでスキーに履き替えが理想」と太郎小屋の主に言われた。苦労が約束されている一方快楽があるかは不明。「♪なのに何故~何を求めて」さんざ地図を眺めてきたシミュレーションを実地で確かめたい一心。手間暇かけて作った料理を食べずに捨てるのが惜しいといったところ。
寺地山山腹から北ノ俣岳方面
①日時:2016.5.1(日)       
②行先:北アルプス(寺地山&北ノ俣岳)
③メンバー:Ys(単独)
④行動記録:
飛越トンネル登山口(5:00)→(9:00)北ノ俣避難小屋(9:15)→(11:30)北ノ俣岳頂上付近(12:00)→(16:00)飛越トンネル登山口
⑤行動概況:
【4/30】昨年は除雪できてないから登山口まで2時間は林道歩きを覚悟してと言われたが,トンネルまで無雪でラクラク到着。30台可能の駐車場はほぼ満車だが人影は無くテントも見当らない。晴れの予報に反し雨が止まないので全員車中泊か空車か。トンネルが開通すれば置かれるというトイレはやはり見当たらず,私は少し下った空き地に移動した。
北ノ俣避難小屋
【5/1】2時や3時は本降りで出る気になれず小やみの5時スタート。噂のぬかるみは『大休付近でもこれ位あるよね』と最初思ったがだんだん凄くなった。水芭蕉の芽を踏まないよう気を付けたのも最初だけ。寺地山辺りから雪が繋がり歩きやすくなったが展望ゼロで相変わらず降ったり止んだり。4時間で避難小屋の赤い尖り屋根が見えた。お伽話の小人の家みたいに可愛い。水場の水が景気よく噴き出している。中では山慣れた感じのカップルが寛いで「昨日入った。五郎狙いだけど今日はワルイから停滞です」と見えない稜線を見上げる。ん?そんなに悪い?「あと2時間で北ノ俣山頂。五郎は厳しいけど太郎なら行けるでしょう」と送り出された。
北ノ俣避難小屋内部
このあたりは広々とした先に北ノ俣の斜面が立ち上がり,大膳原からの吾妻山を巨大にした感じ・・・予想どおりだ。1人だけ赤い先行者が見える。一面にシュプールがあり天然のスキー場みたいな地形だがブッシュや木道も一部出ている。なぜかホコリ色の新雪5~10㎝の下に純白の層。或は30㎝の新雪。登るにつれガチガチに氷化上にうっすらしかついてない所が増えてきたが,ブッシュ寄りはキックが利く。
傾斜が急になったところで赤い先行者がスキーを片付けている。ガスっているので人は突然現れる。「このガスだし今日はもう降りますわ。例年快適なんだけどこんなにブッシュ出てちゃ」と首を振る。次には「五郎目指したけど稜線は視界ゼロ」との単独者,さらに「半端ない風で五郎撤退しました。暴風ですよ」と屈強ぽい5人パーティも降りてきた。
『今日は五郎どころじゃないな。早いけど太郎小屋に行って念願の行者ニンニクラーメン食べよう!明日穏やかなら五郎目指せる。時間はあるんだ』とじわじわ登って行った。
帰路,寺地山で一休み
名札に何故か「大山」と!
踏み跡が足形でなくアイゼンの爪跡のみになり右折してゆく。稜線らしい。風が体を揺する。標柱まではと意地になっていたが本能が「まずいぞ,逃げろ」と叫びだす。足元しか見えないが,頼みの踏み跡も掻き消されようとしている・・・おいおい!他人の踏み跡をあてにして歩いてるじたい十分危険ではないか!
こんなホワイトアウトのなか地図もコンパスも何になるだろう。現在地が分かり進行方向が明らかでも歩くのは自分の足だ。ピークは全方向下る。足の向きが少し違っても大きく違ってゆく。すぐそこの太郎平小屋との間には果てしない白い闇が立ち塞がっている気がした(大げさでしょうか)。もはやこれまで。慎重に180度反転し引き返し始めた。

7 件のコメント:

  1. 昔から気のなっていた?寺地山,1996年に行こうと思ってあれから20年経った。20年越しの宿題片付けたかったが・・・
    さて行動概況読むと失礼ながら笑えます。1人でホワイトアウト,心細く怖かったのでしょう。オロオロしているYsが想像できます。
    北ノ俣岳頂上付近と書いてあるから,山頂には行ってないね。この程度なら黒部五郎岳はともかく,北ノ俣岳山頂を踏み太郎平小屋まで行けなかった?登山力無いなら仕方ないけど。大山の風雪のホワイトアウトのほうがもっと厳しいでしょう。今はGPSがあるからそんな事言っても意味がないか。

    返信削除
  2. 現在地がわかっても目隠ししては真っ直ぐ歩けません。北ノ俣岳から太郎へ向かう途中の広い平坦地が「白い地獄」かも?と。(愛読書は「八甲田山死の彷徨」)ビバーク装備はありましたが多くの遭難記録によると吹かれまくる一夜が明け若いモンは動ける隣で年配者は「冷たくなって」いますからね!
    撤退を決め少し下った明瞭地点で長い下山に備え腹ごしらえしていると「1時間リングワンデリングした!」というおじさんが飛び出してきました。こっちで良いのですね?貴女に会えて嬉しいと言われ一歩下がりました。

    返信削除
    返信
    1. 「八甲田山死の彷徨」好きなら夜の風雪の大休峠避難小屋でも行ってみなはれ。面白いぜ。

      削除
  3. 太郎ラーメンを取り逃がしたの三回目で…無念です。
    笑うがいいさ。「無事これ名馬」と申し上げておきましょう(負け惜しみ)

    返信削除
    返信
    1. ラーメン食べれるようになるにも大変だね。宿題ができてよかったじゃん。
      Mtは2014秋_北アルプス(赤木沢&薬師岳)で太郎ラーメン2杯(往きと帰り)食べた。
      私は山小屋をビールで繋ぎながら歩く。

      削除
  4. 元気に帰還され何より。
    命あっての元種です。挑戦は死ぬまで出来る◎

    返信削除
    返信
    1. 挑戦するには力が必要だ。死ぬまで挑戦できるのか・・・
      自宅の床の間には「挑戦とは人生の糧である」と私が書いた掛け軸がかかっている。

      削除